《ブラジル》ルーラがジャノーネスの支持獲得=「選挙戦に有利」との声=リオ州知事選はフレイショで

【既報関連】ルーラ元大統領(労働者党・PT)は4日、アンドレ・ジャノーネス下議(アヴァンテ)の大統領選出馬を取り下げさせ、支持を取り付けた。また、PT内で内乱が起きたリオ州知事選に関しても、当初の予定通り、マルセロ・フレイショ氏(ブラジル社会党・PSB)を推すことが決まった。4、5日付現地紙、サイトが報じている。
ジャノーネス氏は4日午後、自身のフェイスブックで大統領選への出馬を断念したことを正式に発表した。ライブの動画で行われた発表では、同氏の隣にルーラ氏の姿があり、ルーラ氏から説得を受けた直後の発表であることをうかがわせた。ジャノーネス氏はこの場で大統領選の一次投票でルーラ氏を支持することも宣言した。
ジャーナリストの間では、ジャノーネス氏の支持を得て、ルーラ氏はかなり有利になったととらえられている。ジャノーネス氏の世論調査での支持は1〜2%で4番手と、決して多くない。だが、既に40%以上の支持を得て一次投票での当選目前のルーラ氏にとっては、是非とも欲しい数字だ。
ジャーナリストのケネディ・アレンカール氏はジャノーネス氏のネット上でのインフルエンサー(影響力のある人物)としての資質を評価しており、「彼に対して与えられていた支持率以上の効果がある」と見ている。
G1サイトは、ジャノーネス氏の協力が得られたことで、同氏の地元で、ルーラ氏が以前からこだわっていた大票田のミナス・ジェライス州での票が強化されると見ている。下議再選を目指すであろうジャノーネス氏にとっても、ルーラ氏からの支持は大きなプラスになるという。
CNNブラジルは、ジャノーネス氏の支持が得られたことでルーラ氏のテレビとラジオのキャンペーンの持ち時間が3分17秒に伸びたと報じた。ボルソナロ大統領は最終的に2分51秒になると予想されている。
ルーラ氏は世論調査6位のパブロ・マルサル氏の支持も得たいと考えているが、同氏が所属する社会秩序共和党(PROS)が分裂状態となっており、現状ではまだわからないが、選挙高裁が5日にルーラ支持派のエウリペデス・ジュニオル氏を党首と認める判断を下しており、ルーラ氏に有利に働きそうだ。
また、リオ州支部が支持を撤回したことで心配されていたPTによるマルセロ・フレイショ氏のリオ州知事選支持問題は、ルーラ氏の側近が圧力をかけたことで、フレイショ氏支持のままで継続との方針が出たようだ。
PTリオ州支部はフレイショ氏の上議候補のアレサンドロ・モロン氏がラヴァ・ジャット作戦を支持していたことを嫌い、取り下げを要求していたが、PTが上議候補に予定していたアンドレ・セシリアーノ氏が「PSBの意向を尊重する」と態度を軟化させた。
また、進歩的なイメージのフレイショ氏の支持を撤回すれば、そうしたイメージを有権者にアピールしたいPTにダメージになるという意見も目立っていた。ネット上では人気女性歌手のアニッタをはじめとして、モロン氏を擁護する運動まで起こっていた。