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《ブラジル》ファキン長官最後の審理=保健相のテレビでの発言禁ず=軍の要請の一部に応答も

2022年8月11日

最後の審理に参加したファキン選挙高裁長官(Antonio Augusto/Secom/TSE)
最後の審理に参加したファキン選挙高裁長官(Antonio Augusto/Secom/TSE)

 エジソン・ファキン選挙高裁長官が9日、同裁での最後の審理に参加し、10月の統一選挙を平和的かつ安全に行うために尽力してきたと語ったと9、10日付現地紙、サイトが報じた。
 同長官は退任の挨拶で、任期中は平和で安全な選挙の実現、選挙制度に関するフェイクニュース対策、民主主義の擁護に主眼を置いて来たと統括。18年の大統領選の結果や選挙制度、電子投票機への疑問を呈し、選挙制度や選挙高裁、最高裁への攻撃を続けるボルソナロ大統領や軍からの圧力の中での働きであった事を今一度印象付けた。
 民主主義とその根幹でもある選挙実現を擁護し、「フェイクニュースで民主主義が揺すぶられても、民主主義が膝を折り、崩れる事はない。ブラジル国民が平和と安全性、透明性を保ちつつ、上議の3分の1、下議513人、州議1千人以上、知事27人を選出する事を信じている」とも語った。
 同長官は同日、マルセロ・ケイロガ保健相が求めていたテレビとラジオでの予防接種キャンペーンの放送を禁じる判断も下した。8日に始まった予防接種キャンペーンはポリオなどの接種を促すものだが、保健相がその場を利用し、連邦政府が迅速にワクチンを入手し、広範に接種を実施した事でコロナ禍をコントロールできたとアピールする意向だったため、選挙法に抵触する宣伝行為と判断された。
 他方、軍が要請した3項目中、並行投票と新しい投票機の安全性検査については、投票内容の報告書をネットに掲載する事やサンパウロ総合大学の協力を得て2020年購入の投票機のテストを行う事で応じる事にした。
 後任のアレッシャンドレ・デ・モラエス副長官は15日から長官職に就き、16日に就任式を行う。後任副長官にはリカルド・レワンドウスキー最高裁判事が就任する。
 モラエス氏の長官就任は大統領との対立が深刻化する原因になるとの声もあるが、大統領側は公的には選挙高裁を攻撃しつつ、秘密裏に同裁との緊張緩和に動いているとの情報もある。政府側は3月に辞任したジョゼ・レヴィ総弁護庁元長官をモラエス氏の配下に置き、仲介役を果たさせるなどの準備を進めているという。


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