在サンパウロ総領事館=日系社会と進出企業の関係強化=高元首席領事が着任

在サンパウロ総領事館に9月18日、高元次郎首席領事が着任した。今月2日、着任挨拶のため編集部を訪れ、所信を語った。
高元氏(52歳、神奈川出身)は上智大学比較文化学部を卒業後、外務省に入省。ポルトガル、ブラジリア(2001~03年)、イラク、EU代表部、サンパウロ(14~18年)で勤務し、帰国後は外務省中南米局ブラジル班長を務め、近年は内閣官房大阪関西万博担当大臣の下で国際招請活動に携わった。
高元氏は前回のサンパウロ赴任時を振り返り、2015年は日伯修好通商航海条約締結120周年の節目の年で青森県五所川原市から巨大立佞武を招請するなど様々な記念事業の実現に尽力、18年は日伯国交樹立110周年で秋篠宮家の長女、眞子内親王(当時)のご来伯を始めとする様々な記念事業の実行に携わり、ブラジルにおける日系社会の重要性を強く実感したという。
日本帰国後も18年のブラジル大統領選挙時には国際選挙監視団の一員として来伯し、コロナ禍にはブラジルの行ったコロナ対策の分析及び国内対応指針策定業務に携わるなどブラジル関連業務に従事した。
今回の赴任では首席領事としての業務に加え、日系社会と日系進出企業の関係強化に尽力したいと話す。
高元氏は前回赴任時、ブラジル日本文化福祉協会副会長だった秀島マルセロさんと懇意となった。秀島氏は同協会青年部立ち上げや日系社会次世代リーダー育成事業に尽力し、飯星ワルテル連邦下議(当時)の事務局長などを務めたが、2023年に53歳の若さで亡くなった。
高元氏はブラジル社会の各分野で活躍する日系人の存在を挙げると「彼らの多くはブラジル社会で必要とされる特有の仕事術『Jeitinho』を身に着けています。日系進出企業が覚えるビジネス上の困難さは彼らと関係を近くし、その思考や、やり方を学ぶことで解決に近づくと考えます。日系社会と日系進出企業の関係強化に取り組むことは秀島さんとの約束でもあり、ぜひ実現させたいです」と語った。