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日本のマグロと米を輸入開始=「何て美味しいの! まるでバター」=JETRO業社向け紹介イベント

2025年10月21日

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日本貿易振興機構(JETRO)サンパウロ事務所は13日、サンパウロ市ジャパンハウスで、日本米と日本産水産物のプロ向け試食イベントを開催した。当日は、日本米と日本産のマグロの紹介と試食が行われ、和食・洋食のレストラン関係者やインフルエンサーら約60人が参加して本場の味に舌鼓を打った。

「Que delícia! Uma manteiga!(何て美味しいの! まるでバター)」。今回、冷凍マグロを日本から輸入したOKコーポレーションの小川ケンジ社長を取材していたら、食材業者ブラジル人女性が近づいてきて、彼に日本の大トロを食べた感想として、当地では最上級の褒め言葉を伝えた。

同社は15年前に静岡県焼津市に創立、23年にはペルナンブッコ州に支社を作り、カツオ・マグロ類の仕入れ、販売輸出をする。

当日は、日本から氷点下60度のまま船で輸入された3種類のマグロが提供された。漁獲量が多いビンチョウマグロ、南半球の生息する高級マグロ「南マグロ」の中トロと大トロだ。超低温で輸送するとコスト高になるため、今回が初めての試み。当地では輸送も貯蔵も零下20度が一般的で、零下60度は珍しく、山九ロジスティックス社が担当した。

OK社の幹部ロベルト・シルベイラ氏は零下60度で輸送する理由として「マグロは泳ぎ続けないと死ぬ魚。死ぬと酸化が始まり味が変わる。漁船からトラック、倉庫と全て零下60度を保つ必要がある。切断加工も5分で終わらせ、冷凍に戻す。だからお店で提供する際の解凍のやり方も一店、一店で指導する。だから日本と全く同じ味」と説明した。

有名料理評論家ジョジマル・メロ氏は「北米やペルーでは日本食は現地の料理と混じって別の料理に変化したが、ブラジルでは日本移民が頑なに本来の日本食に拘り、日本からの食材輸入がゼロの時代でも困難を乗り越え、可能な限り現地食材で日本の味を追求した歴史がある」と当地日本食を称賛した。

「その時代を知る我々からすれば今日は歴史的な日だ。今日から当地のシェフも日本の魚と米を使える。ブラジルで米は料理のオマケの位置付けだが、日本では米が土台だ。同じことがイタリア食にも言える。イタリアでピザの本質は何かといえばマッサだ。でもブラジルではマッサではなく、トッピングの多さや種類が競われる。イタリア移民自身がそうしてしまった。でも日本移民は米の位置付けは変えなかった。だから日本の米が輸入されることは重要。今日初めて日本から重要食材が入ったことを心から喜びたい」と輸入の意義を熱く解説した。

井上徹也JETRO所長は、個人的にも日本米に強い愛着と拘りがあることを明かし、「世界的に日本米の需要が高まる中で、ブラジルにも紹介することができた」を喜んだ。日本産米は6月に検疫条件が緩和され、今後輸入が増える見込みだという。当日はトレドブラス社が輸入した「米屋のお米」(新潟農商)が提供された。

当日は日本米の正しい研ぎ方、炊き方の説明も行われた。最後に来場者は一切れずつのマグロと、日本米で作ったおにぎりとシャリを賞味し、興奮した様子で感想を語り合っていた。


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