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《ブラジル》最高裁が大統領関係の審理差し止め=メンドンサ判事の見直し要請で=フェイクニュース拡散や非民主主義デモ絡み

2022年8月13日

メンドンサ判事(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)
メンドンサ判事(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 最高裁でのボルソナロ大統領に対する20もの訴訟に関する全体審理を、アンドレ・メンドンサ判事が差し止めた。これらの訴状はフェイクニュース拡散や昨年の独立記念日の非民主主義的な抗議活動に関するものだ。11、12日付現地紙、サイトが報じている。
 これら20の訴状はアレッシャンドレ・デ・モラエス判事が管轄しており、そのほとんどは守秘事項となっている。訴状は全て、最高裁の全体審理の対象とされている。
 モラエス判事は来週から選挙高裁長官を兼ねることもあって、最高裁の同僚判事たちに対し、フェイクニュースの拡散や、来たる9月7日の独立記念日にボルソナロ大統領の支持者たちが最高裁や三権分立に対する攻撃を行わせないよう、協力を求めていた。
 これらの訴状の審理は12日~18日に、ヴァーチャル形式かつ議論なしで投票を行う予定だった。だが、その開始直後にメンドンサ判事が「見直し」を求めたため、審理中断を余儀なくされた。
 メンドンサ判事が見直しを求めたのは、20通の訴状中19通に及んだ。その内訳は10通がフェイクニュース拡散関連、7通が昨年の独立記念日の非民主主義デモに関して、1通が2018年の大統領選での選挙システム疑惑の連邦警察の捜査内容を昨年のライブで漏えいしたことに関して、もう1通はボルソナロ氏がコロナワクチンはエイズを誘発するという虚報を拡散したことに関してだ。
 フェイクニュースに関する訴訟は、企業家のルシアノ・ハン氏やオタヴィオ・オスカル・ファコウリ氏、ダニエル・シルヴェイラ下議、ビア・キシス下議といった、有名なボルソナロ派の人物が起こしたもので、フェイスブックからの訴状も含まれている。
 独立記念日関連の訴状はSNSサービスの企業や、ボルソナロ派のオトニ・デ・パウラ下議のものだ。
 エイズ発言関連の訴状は、連邦検察庁が最高裁に捜査の打ち切りを求めていたもの。連邦検察庁は、最高裁が打ち切りに応じない場合は、報告官をフェイクニュース担当のモラエス判事からコロナ関係を扱うルイス・ロベルト・バローゾ判事に変更して欲しいと申し出ている。
 選挙システム関連の守秘事項漏洩に関しては、連邦総弁護庁(AGU)が捜査の打ち切りを求めたものだ。
 メンドンサ判事は、ボルソナロ政権でAGUの長官を務め、大統領の弁護士役を務めた後、法相も経験。昨年7月に、「筋金入りの福音派判事を最高裁に」との大統領の予告に従い、最高裁判事としての指名を受けた。
 だが、大統領との距離の近さや、法相時代に側近を福音派で固めたりしていたことで、試問・承認を行う上院の反感を買い、審査開始まで5カ月間待たされた末にやっと承認された。
 これらの訴状の審理でボルソナロ氏に不利な判断が出ると、来週から本格化する大統領選のキャンペーンにも障がいが出かねない。
 メンドンサ判事はオウシリオ増額などを決めた憲法補則法案「PECカミカゼ」関連の訴訟を全体審理にかけることも決めている。


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