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《ブラジル》支援金でもボルソナロ支持率上がらず=最新調査でも横ばい続く=政治交渉のルーラが一枚上手

2022年8月17日

タクシーの表示(Fernando Frazao/Agencia Brasil)
タクシーの表示(Fernando Frazao/Agencia Brasil)

 【既報関連】16日から、憲法補則法案「PECカミカゼ」で認められたタクシー運転手への援助金(アウシリオ)支給が始まった。アウシリオはボルソナロ大統領の支持率をあげるための切り札的存在だが、9日から支給が始まっているのに、世論調査での結果は出ていない。15、16日付現地紙、サイトが報じている。
 412億5千万ドルの追加支援を可能としたPECにより、連邦政府は既に、最大の社会福祉政策であるアウシリオ・ブラジルの最低月額を400レアルから600レアルに上げた上、ガス代支援策の「ヴァーレ・ガス」やトラック運転手援助策の「アウシリオ・カミニョネイロス」などを実施し始めている。
 これに加え、16日からはタクシー運転手への「アウシリオ・タクシスタ」の支給も始まった。支給額は1回1千レアルで、5月末日までに営業資格をとり、15日までに各市での登録を終えた運転手に受給資格がある。労働社会保障省によると、15日までに登録したタクシー運転手32万5千人中、係争中の問題がない29万人は受給資格があるという。当初の見積もりは24万5千人だった。
 今月は7月分と合わせて2回分が払われ、次の支給は30日となる。今回登録し損ねた運転手は20日からも登録できるが、受給は9月11日からだ。
 「アウシリオ・カミニョネイロス」でも、上半期に就業記録がなく、1~2回目分の支払いを受け損ねた運転手の自己申告が15日から始まった。こちらも29日までに登録すれば、9月6日から受給できる。同日は最初の2回分(2千レアル)が払われる。
 このアウシリオにより、ボルソナロ氏の大統領選での支持率が上がると予想されていたが、支給開始後に行われた二つの調査の結果は効果が表れたとは言いがたいものだった。
 投資銀行BTGパクトゥアルと調査団体FSBが8月12〜14日に行った調査では、ルーラ氏の支持率が前回の41から45%に上がり、ボルソナロ氏は横ばいの34%に終わった。
 また、国内第2位の注目度のIpecが12〜14日に行った調査でも、ルーラ氏が45%、ボルソナロ氏が32%で、BTG/FSBとほぼ同じ結果となった。
 この理由は、アウシリオよりも、ルーラ氏が大統領選の世論調査で支持率4位だったアンドレ・ジャノーネス氏(アヴァンテ)の出馬を取り下げさせ、同氏の支持を得ることに成功したことのインパクトの方が大きかったと見る向きが強い。
 Ipecの行った「ボルソナロ大統領自身に対する評価」では「悪い」が57%で、「良い」の37%を20%ポイントも上回った。現政権に対する評価も、アウシリオの支給開始にも関わらず29%と、30%を切った状態だ。
 18日には国民の注目度が最も高いダッタフォーリャの世論調査が発表される。26日にテレビ、ラジオでのキャンペーンがはじまる直前のものとなる。


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