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《ブラジル》8人の元大統領候補がルーラ支持表明=一次投票での勝利まであと一歩=メイレレスやマリーナなど

2022年9月21日

ルーラ氏と元大統領候補たち(Ricardo Stuckert)
ルーラ氏と元大統領候補たち(Ricardo Stuckert)

 19日、ルーラ元大統領(労働者党・PT)のもとに、かつての大統領候補ら8人が集結。ルーラ政権の経験者を含む影響力の強い彼らが大統領選でのルーラ氏支持を誓った。19、20日付現地紙、サイトが報じている。
 19日午前中にサンパウロ市で行われた会合には、ルーラ政権で中銀総裁をつとめたエンリケ・メイレレス氏(2018年出馬)や、教育相を務めたクリストヴォン・ブアルキ氏(2006年出馬)、環境相だったマリーナ・シウヴァ氏(2010、14、18年出馬)に加え、2018年にルーラ氏の代理として出馬したフェルナンド・ハダジ氏、社会主義自由党のルシアナ・ジェンロ氏(2014年出馬)、ギリェルメ・ボウロス氏(2018年出馬)、1964年の軍政誕生直前の最後の大統領ジョアン・グラール氏の息子のジョアン・ヴィセンテ・グラール氏(2018年出馬)が駆け付けた。
 現在はルーラ氏の副候補のジェラウド・アウキミン氏(2006、18年出馬)も元大統領候補だから、計8人が参集した。
 この8人中6人はPTとの連立(フェデラソン)「希望のブラジル」の政党所属だが、ウニオン所属のメイレレス氏、シダダニア所属のクリストヴォン氏は、自身の所属政党に他の大統領候補がいるのに集まった。
 特に注目されたのはクリストヴォン氏、マリーナ氏、メイレレス氏だった。クリストヴォン氏とマリーナ氏はかつてPTに所属していたが、ルーラ氏と袂を分かち、時にPTの批判も行っていた。だが今回、両氏共に「民主主義が脅かされている今、もう一度一緒にやり直すためにはルーラ氏が最適だ」との考えを表明した。
 また、ルーラ氏を継いだジウマ氏を罷免に追い込む形となったテメル政権で経済相を務めたメイレレス氏も、自身が中銀総裁だったルーラ政権時代を「あの当時は1千万の雇用を創出し、4千万人が貧困から救われるという、ブラジルでかつてないことが起きた上、国内総生産(GDP)も平均4%上昇していた」と振り返った。
 マリーナ氏は12日にもルーラ氏と会い、「共通の敵と戦うために」支援を約束した上、環境関連の提案書を手渡していた。
 元大統領候補らは同時にボルソナロ政権を強く批判した。ルシアナ氏は「ファシストとレイシストの政権であり、女性嫌悪、同性愛嫌悪、差別と暴力のプロジェクトだ」とこきおろし、グラール氏も「絶対に軍事政権復活を許してはならない」と強く主張した。
 ルーラ氏も今回選挙を「民主主義を回復させるためのもの」と位置づけ、「民主主義は黙っていては成立しない。社会が日夜せめぎ合うことによってよりよい日常を獲得していく過程だ」と語った。
 ルーラ氏が今回、かつての大統領候補らを集めたのは、一次投票で勝利を決めたいためでもある。ルーラ氏はこの日発表されたIpecの世論調査でも47%の支持を獲得。31%のボルソナロ氏に差をつけただけでなく、有効得票数が52%に達し、一次投票で勝利する見込みが再浮上してきている。


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