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《ブラジル》ザンベリ下議に投稿削除命令=ジャーナリスト攻撃と虚報掲載で

2022年9月21日

ザンベリ氏(左)とヴェラ氏(Reprodução/Divulgação)
ザンベリ氏(左)とヴェラ氏(Reprodução/Divulgação)

 【既報関連】ボルソナロ大統領が8月28日の大統領候補の公開討論会で侮蔑した女性ジャーナリストのヴェラ・マガリャンエス氏に対する攻撃と虚報を掲載したとして、カルラ・ザンベリ下議(自由党・PL)に投稿削除命令が出たと19日付G1サイトなどが報じた。
 ザンベリ下議はボルソナロ派の筆頭株とも言える議員の一人で、1期目議員ながら、当選直後に虚報(フェイクニュース)を流して賠償金の支払いを命じられるなど、過激な言動で知られている。
 問題になった投稿の一つは、公開討論会でボルソナロ大統領が使った「ジャーナリズムの恥」との言葉をそのまま掲載し、ヴェラ氏に対する攻撃を継続したものだ。
 さらに、ヴェラ氏が「ダマレス・アルヴェス氏が苦しんだ長年の強姦被害についての話を笑い、からかった」と書き記した文章に、「ヴェラ、あなたは性差別主義者や男性至上主義者、キリスト者差別者(クリストフォビック)ではないかのように振る舞いながら、間接的な方法でレイプや小児性愛を支持していたのではありませんか?」と書き込むという方法で虚報を流したという。
 同下議は、ダマレス氏が教会の集会で「キリストがゴイアバの樹の下に立っているのを見た」と語ったと聞いたヴェラ氏が、「ゴイアバの虫」という名前のサンバを勧めようと思ったと言ったビデオを投稿している。
 ヴェラ氏はその後、ダマレス氏の言葉は性的暴力を受けて苦しんでいたが、キリストの姿を見た事で自殺を思いとどまったという文脈で語ったものだと知り、謝罪しているが、ザンベリ氏はその事には言及していない。
 サンパウロ州地裁のパウロ・ロジェリオ・サントス・ピニェイロ判事は17日、「現在のように政治的に二極化した状態では特に、政治的討論における権威者の発言を抜粋した投稿などは、政治的及びイデオロギー的討論に典型的な激しい批判の可能性を考慮したとしてもなお、情報の自由や思想表現の自由の限界を超えているといえる」とし、これらの投稿が不適切であるとの判決を下し、即時削除を命じた。
 従わなかった場合は1日3千レアルの罰金も科した。同件は19日にメディアが報じており、ザンベリ氏はまだ上告できる。
 ヴェラ氏側の弁護士団は、「ザンベリ氏の言動はボルソナロ氏支持者によるヴェラ氏への組織的な攻撃の一部だ」と訴えていた。
 ザンベリ氏がヴェラ氏を攻撃するために用いた大統領の言葉は、サンパウロ州議のドウグラス・ガルシア氏もサンパウロ州知事候補者による公開討論会の場でヴェラ氏を攻撃するのに使っている。ガルシア州議によるヴェラ氏攻撃はその直後から物議を醸し、同州議に対する罷免請求が続けざまに提出された。だが、ザンベリ氏の行為はネット上のもので広く知られていないため、罷免請求などは出ていない。


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