《ブラジル》出超止まらぬ貯蓄預金=今年は9カ月中8カ月で

中央銀行が6日、9月の貯蓄預金(ポウパンサ)は預金額3087億レアルに対し、3146億レアルが引き出され、59億レアルの出超となったと発表した。9月としては昨年9月に記録した77・2億レアルに次ぐ、史上2位の出超記録となると同日付現地サイトが報じた。
ポウパンサはブラジルでは最も伝統的な金融投資だが、今年は5月に1度、35・1億レアルの入超が起きただけで、1~9月の累計では910・7億レアルの出超となった。
2021年は、コロナ禍に伴う緊急支援金終了や低所得、負債を抱える人の増加などで355億レアルの出超だった。この額は2015年の535・7億レアルや2016年の407億レアルに次ぐものだが、今年はこれを上回りそうだ。
一方、2020年は緊急支援金が自動的にデジタル貯蓄口座に入金された事などもあり、1663・1億レアルの入超だった。
9月末時点の投資額そのものは、出超額を上回る65億レアルの利息収入が入り、8月末を上回る9924億レアルとなっている。
現在の経済基本金利(Selic)は13・75%で8・5%を超えているため、ポウパンサには参考金利(TR)+6・17%の利息がつく。昨年12月までの利率はSelicの70%のみだったため、ポウパンサに置いておく場合の利率は以前よりも良くなった。
それでも、現在の利率はまだインフレ率を下回り、預けておいても目減りする事や、TR+6・17%以上の利息がつくファンドなどがある事などで、引出額が預入額を上回る状態が続いている。
中銀によると、9月までの12カ月間預けておいた場合の利率は7・12%だが、15日締めの広範囲消費者物価指数(IPCA―15)は12カ月間で7・96%となっている。地理統計院は11日に、9月のIPCAを発表する予定だ。