《ブラジル》選挙高裁=国防省に監査結果の報告求む=レデ党からの要請を受けて=大統領には5日間の猶予付与

【既報関連】アレシャンドレ・デ・モラエス選挙高裁長官が18日、軍による統一選一次投票での電子投票機のデータ解析の結果報告の写しを48時間以内に提出するよう国防省に求めたと同日付伯字サイトが報じた。
この要請は、ボルソナロ大統領(自由党・PL)が選挙システムや電子投票機に対する疑問を呈し、選挙高裁以外の機関による投票結果の監査が必要と主張していた事を受け、レデ党が提出した要請書に基づくものだ。
連邦会計検査院(TCU)は5日、一次投票の終了後に印刷された電子投票機毎の投票内容の報告書(BU)と選挙高裁の集計システムによる集計結果との照合・監査の結果、矛盾や不正は見つからなかったと報告した。
また、国際的な選挙監視団も選挙は平和裏に行われ、不正もなかったとの見解を表明済みだ。だが、国防省の要請で軍が行った監査結果は大統領にしか報告されていないという。
大統領は一次投票の数日後に国防省を訪れており、不正は見つからなかったとの報告を受けた可能性がある事は様々なメディアが報じて来たが、国防省は未だに、軍によるデータ解析の結果を公表していない。
レデ党はこれらの問題に関し、大統領やその支持者が何の証拠もなく選挙制度や選挙システムを批判したりした上、フェイクニュース(虚報)を拡散してきた事や、軍を通して多数の質問を突きつけ、監査を執拗に求めるという、本来の職務以外の行為でも選挙制度の透明性や信ぴょう性を揺るがせようとした事への説明を求めた。
レデ党の要請書を分析したモラエス長官は、国防省に対し、48時間以内に報告書の写しを提出する事と軍による解析作業の経費はどこから出ているのかを明らかにする事を求めた。また、大統領にも5日以内に同件に関する疑惑に対する釈明を行う事を要請した。
モラエス長官はこれらの判断後、軍が一次投票の結果の解析を行い、大統領に報告書を提出した事を示す情報の数々は、軍による解析作業や報告は大統領や支持者の要求を満足させるためだけであった可能性を示唆しており、目的の誤用や職権乱用という疑惑が生じ得るとの見解を明らかにしている。