ジャパンハウスで11日から=「木の命を汲む人―棟梁の技と心」展
日本の伝統建築に息づく「木の命」をテーマにした展覧会「木の命を汲む人―棟梁の技と心」展が、11日からジャパン・ハウスで開かれる。主催は竹中大工道具館(神戸)。キュレーターは同館主任学芸員の西山マルセーロ氏。ロンドン、ロサンゼルスを巡回した企画の最終地としてブラジル開催となる。
展覧会では、自然への畏敬を基盤に木と向き合ってきた日本の大工文化を紹介。京都・大徳寺玉林院の茶室「蓑庵」の実物大構造模型を中心に、茶室建築を担う「数寄屋大工」と、寺社建築を支える「堂宮大工」、二つの伝統技術を対比させながら、日本独自の木造建築美を浮かび上がらせる。壁や天井の内部構造を間近で見ることができ、細部に宿る匠の工夫を体感できる点も見どころだ。
87点に及ぶ大工道具の展示では、鑿や鉋といった道具の用途や造形美を通じ、職人たちの精神と技の進化をたどることができる。会場には、日本の森の香りや質感を再現した没入型インスタレーションも設けられ、来場者は檜や杉、桜など8種の木の香りを嗅ぎながら〝森の記憶〟を五感で感じ取れる。
会期中には、西山氏によるガイドツアーや鉋の薄削り実演、オンライン講演も予定されている。入館無料。建築を通して自然と人との調和を考える好機となりそうだ。会期は来年4月5日まで。








