タルシジオ、脅していたのは情報機関員=銃撃戦の消去以外の疑惑も

【既報関連】17日にサンパウロ州知事候補のタルシジオ・デ・フレイタス氏(共和者・RP)の滞在場所付近で起きた銃撃戦を録画したカメラマンが、録画を消去するよう迫られただけでなく、契約先の会社を辞めるように迫っていたこと、その人物がブラジル情報庁(ABIN)の職員であることがわかった。26、27日付現地紙、サイトが報じている。
25日までの報道では、タルシジオ氏の選挙スタッフが報道カメラマンのマルコス・アンドラーデ氏に録画した内容を消去するよう迫ったと報じられていた。だが、その際、消去と共に、録画を報道した契約先のジョーヴェン・パン局を辞めるように迫っていたことが、フォーリャ紙による本人への取材で明らかになった。
アンドラーデ氏はさらに、「タルシジオ氏を支持する声明を動画で行え」と脅されたという。同氏はこれに従い、17日にタルシジオ氏支持を宣言する動画を撮ったが、翌18日にはジョーヴェン・パンの番組に出演したタルシジオ氏に対して感謝の辞を言わされたとしている。
アンドラーデ氏は、銃撃戦の現場に近づいた際、平服の警察官が発砲しているのを目撃した、との証言も行っている。さらに同氏に迫って様々な命令を行ってきたタルシジオ氏のスタッフが「ABINの腕章をつけていた」と語った。
このスタッフはABIN所属のファブリシオ・カルドーゾ・ダ・パイヴァ氏であることが判明し、タルシジオ氏陣営もその事実を認めている。同陣営によると、パイヴァ氏は現在休職中で、スタッフとしての給与は受けていないとのことだ。同氏はタルシジオ氏の個人的な友人で、その付き合いは10年以上にわたるという。
ABINは大統領府安全保障室傘下の情報機関で、そこに所属する人物が選挙活動に関与していることや証拠隠滅疑惑に直接的に関わったことに疑惑の声が高まっている。