公正な選挙への取り組み続く=選挙ハラスメントは26倍に=脅迫など回避で警備も強化

【既報関連】統一選の決選投票が目前に迫る中、選挙高裁や選挙地域裁、選挙検察などが総力を挙げ、公正かつ自由な選挙実現に向けた努力を続けていると24~27日付現地紙、サイトが報じた。

投票権は本人の自由意思に基づいて行使されるべきだが、今年は企業家が従業員に特定候補への投票を求めたり、特定候補に投票すれば金を払うが別の候補に投票すれば解雇すると脅したりする選挙ハラスメントが急増。極端に二極化した状態で決選投票が行われる事で、選挙ハラスメントの告発は1284社、1633件に達している。この大半は一次投票後の告発で、一次投票前の25・8倍の1572件に及んでいる。
労働検察に届いた告発は選挙検察にも伝えられ、上院では同件に関する議会調査委員会開設に向けた動きも起きている。
サンパウロ州選挙検察官のアナ・ラウラ・ルナルデリ氏は、地域監督官が労働者に物事を強制していた頃に逆戻りしており、「不条理が常態化されつつある」とし、不法行為を容認さえする動きへの懸念を表明している。
票の売買や脅迫などの違反行為は民間企業の従業員や公務員だけが対象ではない。マット・グロッソ州マルセランジア市農務局長がシングーの先住民部落酋長に金と候補者名や番号を印刷した紙を渡そうとしたのはその一例で、酋長が金などを押し返す様子を映したビデオが流れ、市警が捜査を開始した。
また、バイア州プラドにある先住民部落では一次投票の日に武装した男達が押し寄せ、住民が投票に行けなくなるという事態が起きた事が発覚し、選挙地域裁が捜査を開始。州保安局に警備強化を要請すると共に、各市当局に交通手段確保のための協力も求めた。
各選挙地域裁は投票権行使のための安全確保のために市警や軍警の派遣・増強も要請済みで、25日には選挙高裁がアクレ、マット・グロッソ、マット・グロッソ・ド・スル、トカンチンスの4州計80市への軍兵士派遣を認めた。
また、首都と25州都が30日のバス利用を無料化し、アクレ州都も帰りのバス料金は無料とする。それ以外の市でもサンパウロ大都市圏6市が無料化するなどして有権者の足確保に努めているが、無料となる時間帯は自治体毎に異なるため、要確認だ。