「踊り人生に残る幸福な一日」=クリチバ市、花柳龍千多さんを表彰=門下生ら約100人が祝福

約30年にわたってパラナ州クリチバ市で日本舞踊を指導してきたサンパウロ市在住の花柳龍千多(りゅうちた)さんの貢献を称える表彰状授与式が、13日午後7時半からクリチバ市議会のリオ・ブランコ宮殿で行われた。瀬戸ノリヤス市議から表彰状が手渡され、龍千多さんは「私の踊りの人生の中で、歴史に残る幸福な一日となりました」と喜びを表し、今後も継続して日本舞踊の指導を行っていく考えを示した。授与式には龍千多さんの門下生である日系踊り会メンバーやクリチバ日文化援護協会(クリチバ文援協、吉田ロベルト・イサム会長)関係者など招待者約100人が出席した。
龍千多さんには当初、7月に開催された第60回パラナ民族芸能祭の席上で瀬戸市議の推薦により、クリチバ市議会から表彰状が贈られる予定だった。しかし、今年10月の全国統一選挙の規定上の問題から、今回の授与式へと延期された経緯がある。
授与式には、式を主導するアレシャンドレ・レプレヴォスト市議をはじめ、推薦者の瀬戸市議、在クリチバ日本国総領事館の庄司光咲(しょうじ・みさき)副領事、クリチバ文援協評議員長の原ルイ氏、日系踊り会理事の林・ナガオ・マサコ・ドラリセ氏、山脇ジョルジ元市議、西森ルイス下議代理の田丸ラウラ氏が来賓として出席。龍千多さんは踊り会メンバーとともに着物姿で会場後方から入場し、来場者の拍手に迎えられて登壇した。
式では、ブラジル国歌斉唱後に瀬戸市議が挨拶に立ち、龍千多さんの経歴を紹介した。龍千多さんは北海道出身で、サンパウロ市の花柳金龍(きんりゅう)師(故人)に師事し、1979年に名取になった。90年末から約30年にわたり、毎月欠かさず自費でクリチバに通って日本舞踊を指導し、97年に来伯された天皇皇后両陛下(現・上皇上皇后)の御前での踊りをはじめ、クリチバ市内での花祭り、移民祭、パラナ民族芸能祭などの各種イベントやサンパウロ市、ペルーでのショーなど日系踊り会メンバーと数多くの舞台を踏んできた。瀬戸市議は「すべてのクリチバ文援協の会員の気持ちを代表して今回の表彰を行いました」と述べ、長年にわたる龍千多さんの貢献を称賛した。
原評議員長の祝辞に続いて、初期からの門下生として龍千多さんの指導を受け、今や家族同然の付き合いをしている日系踊り会理事の林氏が登壇し、「龍千多先生には踊りだけでなく、日本語や日本文化も習いました」と感謝の気持ちを表し、「いつまでもお元気で、これからもクリチバに来てください」と師匠への思いを語った。

瀬戸市議から表彰状を手渡された龍千多さんは、「大好きなクリチバの地で日本舞踊を教え、伝えることができたのは掛け替えのない幸福で、私にとって本当に歴史に残る一日となりました。今後も体力と気力の続く限りクリチバに通い、皆様と共に日本舞踊を伝えて参りたいと思います」と謝辞を述べた。
門下生から龍千多さんへの花束贈呈後、日系踊り会メンバーと来賓一同で記念撮影を行い、来場者全員で「クリチバ市歌」を斉唱して授与式は締めくくられた。
授与式後は、場所をクリチバ市内の「原ホテル」横のレストランに移し、祝賀会が行われた(詳細は別記事)。