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TCU、不正無しとの見解発表=選挙高裁は民主主義強化と評価

2022年11月5日

2日に行われたリオ市での抗議行動の様子(Tania Rego/AGencia Brasil)
2日に行われたリオ市での抗議行動の様子(Tania Rego/AGencia Brasil)

 【既報関連】大統領選決選投票の結果を不服とするボルソナロ大統領支持者達が、幹線道路の封鎖や全国規模での抗議行動などを起こしている中、連邦会計検査院(TCU)は3日、同選挙における不正の痕跡は無かったとの見解を発表した。選挙高裁も同選挙の結果は確定したとの見解を明らかにした。

アレッシャンドレ・デ・モラエス選挙高裁長官(Alejandoro Zambrana/Secom/TSE)
アレッシャンドレ・デ・モラエス選挙高裁長官(Alejandoro Zambrana/Secom/TSE)

 大統領支持者達の抗議行動は、トラックの運転手達による幹線道路の封鎖や、全国各地の軍関連施設前で最高裁判事らを批判し、軍の介入を求めるデモ運動の実施という形で展開された。
 軍関連施設前での抗議行動は2日、リオ市中央部にある陸軍東部司令部(CML)前やサンパウロ市イビラプエラ公園傍の陸軍南東部司令部前、ブラジリアの陸軍本部前などで行われた。ここでは、軍介入を求める言葉や最高裁判事らを批判する言葉を大書した横断幕などが掲げられた。 ボルソナロ大統領は1日の声明読み上げで、同選挙における不正の存在を示唆し、選挙結果に不満を覚える人達の存在や不満噴出を認めるかのような発言を行った。
 しかし、TCUは3日、決選投票で使われた電子投票機604台分の投票内容を印刷した報告書を分析した結果、一次投票同様、「(選挙高裁のコンピューターに登録された内容との)違いは何も発見されなかった」と発表した。
 決選投票に立ち会った国際選挙監視団も10月31日、決選投票は国際的な基準の範囲内で行われ、開票作業は非常に迅速だったと発表した。一方で、ブラジルでの虚報合戦の激しさや、当選直後の祝賀行動は他国出身の監視団員らを驚かせたという。
 選挙高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス長官は3日、「10月30日の決選投票は民主主義的に行われ、正副大統領や正副知事、連邦議員、州議員が全員出揃った。次期大統領と副大統領の認証式は12月19日までに行われ、2023年1月1日に正式に就任する事になる」と宣言した。地域選挙裁が担当する知事や連邦議員、州議員の認証式も12月19日までに行われる。
 同長官は「民主主義が再び勝利を収めた」とも語り、全国の選挙裁判所の職員の労をねぎらうと共に、「絶対的多数が民主主義を信じ、民主主義国家を信頼し、投票に参加した上、選挙結果を民主主義的に受け入れた」との言葉で有権者を称賛した。
 ローザ・ウエベル最高裁長官も3日の最高裁審理の場で、選挙高裁は選挙の正常性を保証し、投票結果を合法的なものと認めたと発言し、「我々の民主主義は強化され、民主的な諸機関も一層堅固になった。ブラジルは民主主義的な法治国家としての立場をより強固なものとし、最高裁は憲法の番人としての立場を妥協する事なく守り続ける」と語った。


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