PSDB、アルキミンと会合行う=連立否定も「国には尽くす」

民主社会党(PSDB)の幹部らは9日、ジェラルド・アルキミン次期副大統領(ブラジル社会党・PSB)とブラジリアで会談を行った。ブルーノ・アラウージョ党首は会談後、次期ルーラ政権で連立はしないものの、国のために協力したいと語った。9、10日付現地紙、サイトが報じている。
PSDBとルーラ次期大統領の労働者党(PT)とは歴史的に対立関係にあるが、今回の会談が実現したのは、アウキミン氏が結党以来30年間以上、PSDBの看板政治家だったためだ。
PSDBからはアラウージョ党首とリオ・グランデ・ド・スウ州知事のエドゥアルド・レイテ氏が参加しており、アラウージョ党首は会談後、ルーラ政権への関わり方は従来からの主張通り「独立」を保つとし、次期政権から閣僚などの役職は得ない意向であることを強調した。
だが、同党首は「ブラジルの将来について話し合い、そのために協力できることはする」とし、次期政権が社会保障給付金「アウシリオ・ブラジル」で600レアルの支給継続などのために不可欠としている「政権移行PEC(憲法補則法案)」の承認には協力したいとした。
レイテ氏も「次期政権とは考え方の違いもあるが、国のためには尽くしたい」とした。ただし、「連邦政府の意向のために協力政党でない州政府が振り回されたりするのはもうごめんだ」とし、燃料代高騰を避けるために州税の大半を占める商品流通サービス税(ICMS)の課税率を一方的に引き下げたボルソナロ大統領を厳しく批判した。
7期続いたサンパウロ州政権を失い、当選した下議数も13人と、党の歴史始まって以来の大敗を喫したPSDBは、新体制への準備を進めている。新党首には、今年の大統領選の候補に名前が上がり、リオ・グランデ・ド・スウ州知事に再選したレイテ氏が最有力視されている。
レイテ氏は党首就任に関しては言葉を濁しているが、同党が民主運動(MDB)、シダダニア、ポデモスなどの政党と合併や連立を模索していることを認めている。