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サンパウロ市民、9・4%がスラム住民=社会格差地図で明らかに

2022年12月1日

サンパウロ市内有数のスラム街パライゾポリス(2014年、Roberto Rocco)
サンパウロ市内有数のスラム街パライゾポリス(2014年、Roberto Rocco)

 サンパウロ市に関する各種調査を行う「私達のサンパウロ・ネットワーク」(Rede Nossa São Paulo)が22日、サンパウロ市民の約9・4%はスラム街(ファヴェーラ)に住んでいると発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
 同ネットワークによると、サンパウロ市内96地区中、非正規な方法で定住している人がいないのは10地区のみで、スラム住民の比率が極端に高い地区としてヴィラ・アンドラーデ(32・7%)やブラジランジア(25・1%)などを挙げた。
 スラム街に住む住民が抱える問題は住居や電気、水道といったインフラ不足だけではない。サンパウロ市極南部のマルシラッキ地区の住民は、朝のラッシュ時に公共交通機関を使って移動しようとすると約73分かかる。ピニェイロス地区の住民なら25分で済む。
 治安や保健衛生の観点から見ると、各地区住民の死亡時平均年齢は、ジャルジン・パウリスタ地区が80歳で、イグアテミ地区が59・3歳と格差が大きい。
 新型コロナで死亡した人の割合も、裕福で医療サービスへのアクセスが容易な住民の多いアルト・デ・ピニェイロス(16・7%)やモエマ(16・9%)は低かったが、西部のジャグアレー(30・8%)や、北部のペルース(30・2%)では高かった。
 警官による死者も、闇商人や路上生活者なども多い中央部ブラス地区が10万人あたり8・1人、極南部のマルシラッキ地区が7・9人、中央部のセー地区が7・5人と高いのに対し、西部の高級住宅地イタイン・ビビは0・3人、中央部のボン・レチーロでは2019~21年はゼロと差が大きい。
 人口10万人あたりの文化施設数も格差がある。レプブリカ地区は14・5カ所、ブタンタン地区とセー地区は1・2カ所だが、西部のヴィラ・ソニアや北部のヴィラ・マデイロス、南部のマルシラッキなどの19地区には、図書館や公立劇場などの文化施設が一つもないという。
 市街政策専門家のラケル・ロルニッキ氏は、「これらの格差は計画性や市街化政策の欠如が原因で生じたものではない。市街化政策が格差を生んでいるのだ」と言う。同氏によると、サンパウロ市の市街化政策はカンポス・エリゼウやセーといった地区を中心とする中央部の開発に焦点を当てており、貧しい人々の生活をより悪化させるという結果を生んできたという。


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