移行PECが上院を通過=予想外64票の賛成で=下院の審議・承認は来週に

【既報関連】上院本会議で7日、次期政権でも月額600レアルの生活扶助を継続したりするために不可欠とされる移行PEC(憲法補則案)の審議が行われ、憲政委員会が6日に承認したPECをスピード承認したと7、8日付現地紙、サイトが報じた。
上院が承認した移行PECは、生活扶助支給額を600レアルで維持し、6歳未満の子供1人につき150レアルの児童手当を加算するための経費を歳出上限枠外とするためのものだ。
第1期ルーラ政権が導入した生活扶助ボルサ・ファミリアはボルソナロ政権下でアウシリオ・ブラジルと改名され、支給額も600レアルに引き上げられたが、来年からは元の名に戻る。だが、来年度予算案に計上された予算は405レアル分で、選挙公約の600レアル維持と児童手当支給のためには、歳出上限枠以外の財源が必要だ。
生活扶助の支給額維持などのための経費は上院憲政委員会で1750億レアルから1450億レアルに減額され、歳出上限枠外に置く期間も4年から2年に短縮された。また、歳出上限法の改定も含む、その後の財政体制に関する提案の提出期限も1年間から8カ月間に短縮された。
上院が承認したのは憲政委員会が承認したPEC案で、49票が必要なところを、1回目が64対16、2回目も64対13という、予想以上の賛成票を得て承認された。
7日の上院は81人の上議が全員参加しており、投票しなかったのは、1回目は上院議長のみ、2度目は反対票を投じた上議3人と議長の4人だった。
今回の審議で反対票を投じるように指導した党はボルソナロ大統領が所属する自由党(PL)と同党と連立を組む進歩党(PP)のみで、同じく連立を組む共和者は賛成票を投じるよう指導。ポデモスと民主社会党(PSDB)は党員の判断に任せた。
移行PECは今後、下院での審議にかけられる。1月以降も生活扶助支給額を維持し、児童手当も支給するには、移行PECと予算案を年内に承認し、来年度予算を1月から有効とする必要がある。議会は17日に休暇に入るため、下院は来週早々、上院が承認したままのPECを承認する必要がある。