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国民の68・9%が科学を信頼=コロナ禍中の科学信頼度調査

2022年12月15日

新型コロナの予防接種(Divulgação/Governo de São Paulo)
新型コロナの予防接種(Divulgação/Governo de São Paulo)

 国立科学技術パブリック・コミュニケーション研究所(INCT―CPCT)が12日、パンデミック期間中のブラジルの科学への信頼度調査を行い、その結果、国民の68・9%が科学を信頼/非常に信頼している事が分かったと発表したと13日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。

気候変動で激化する自然災害(Antônio Cruz/Agência Brasil)
気候変動で激化する自然災害(Antônio Cruz/Agência Brasil)

 この数字は決して低くはないが、米国の3Mが今年行った調査での90%よりは低い。
 ブラジルでの数字が低いのはパンデミックの間に増えた組織的な偽情報拡散などの影響があると見られるが、調査員達は調査毎に質問項目なども異なるから比較によるメリットは少ないとしている。
 調査によると、正直で、国民に利益をもたらす仕事を行っているとみなされたのは、医師60・1%、科学者47・3%(大学や公的調査機関の研究者30・6%、企業内の研究者16・7%)、ジャーナリスト36・4%などで、アーティストや政治家は各1・5%だった。
 また、名前を知っている医師としてはオズワルド・クルスやカルロス・シャーガス、ジャケリーネ・ゴエスなどの名前が出た。
 パンデミックの間は、新型コロナに関しても科学的な根拠を否定する政治的な言動が目立ったが、科学は人類に何の益ももたらさないと答えた人は3・5%のみだった。
 研究機関の名を知っている人は25%を超え、ブタンタン研究所やオズワルド・クルス財団(Fiocruz)、サンパウロ総合大学(USP)などの名前が出たという。
 予防接種に関しては肯定的な反応が多く、公共衛生のために重要86・7%、安全75・7%、必要69・6%などとなっているが、副反応が心配という人が46・4%、製薬会社が危険性に関する情報を隠していると考える人も40%いた。他方、政府が新型コロナのワクチンに関して偽情報を流したと考えていた人も46・7%いた。
 また、予防接種には肯定的な回答をする一方で、新型コロナの補強接種は受けたくない人が13%、子供には接種を受けさせないという人も8%いた。子供への接種を拒否する人は男性の方が多く、国民の健康より雇用創出が優先されるべきと考える人の間でも多かった。
 また、社会格差と戦う政策よりも経済発展を優先すべきとか、健康より市場を優先すべきと考える人、政治への参加が少ない人、政治や科学では男性が女性よりも優れているといった性差別的な価値観を表明する人の間では、ワクチンはリスクが高いと考える可能性が高かったという。
 また、予防接種へのためらいは、学歴、科学的な概念への精通度、科学的な研究機関に対する知識、市民社会や政治への関与の程度、経済的な立場や価値観などによっても影響を受けるという。
 この調査は8~10月に16歳以上の人2069人を対象に行われており、信頼度は95%、誤差の範囲は上下2・2%だという。
 また、調査では、国民の91%は気候変動が起きている事を信じており、85・8%は気候変動は人間の活動が引き起こしていると信じている事も明らかになったという。
 気候変動がブラジル人の生活の質に悪影響を与えていると考えている人は78・3%、自分や家族に損害を与えると考えている人は81%、次世代に損害を与えると考えている人も82・8%いた。


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