外国為替に新たな規制=12月31日から発効

2021年12月に裁可された国際的な通貨の交換などに関する新しい法令14286/21が、2022年12月31日に発効したと4~5日付現地サイトなどが報じた。
同法令発効により、金額などに制限はあるものの、個人の場合は銀行や両替商を通さなくても外貨を売買できるようになるなどの恩恵が発生している。
個人の場合、これまでは外国旅行後に残った外貨をレアルに交換したい時や旅行の前に個人で使う外貨を調達したい時は、銀行か両替商に行く必要があったが、現在は500ドルまでなら個人的な売買が可能となった。
また、外国旅行時に無申告で携行できる外貨も1万レアルが1万ドルに増えた。この額はブラジルから出る時もブラジルに入る時も共通だ。従来の金額は1990年代に決められたもので、1ドル5レアル以上という現状にそぐわなくなっていた。
新法は銀行や金融機関が国際取引を行う際のブラジル通貨の使用を促す上、ブラジルや国外で調達した資金を国外での投資に使う事も容易にする。これにより、同一グループ企業での取引など、ブラジル製の商品の輸入業者への資金提供が容易になる。ただ、ブラジル国内での外貨建て口座開設は中銀の管轄のため、現時点ではこの恩恵はレアル貨での取引に限られる。
一方、国内で外貨による支払いが認められる例は増えており、ブラジル国内の居住者同士が交わしたリース契約の支払いを国外で調達した資金で行う事も可能となった。パッケージの生産者や組立業者、投入財の販売業者がこれらの材料やサービスを輸出業者に提供する間接的な輸出の場合も外貨で払えるようになった。
また、利益や配当、利息、ロイヤルティなどの国外送金時は中銀への登録が不要となった(税金の支払いは必要)。国外居住者や国外に本拠地を持つ人がブラジル国内にある不動産を売却した時の附帯税徴収も廃止された。
ブラジルの銀行の運営に制限を課している国に本店がある銀行がブラジルの銀行の議決権株式を30%以上購入する事を禁じていた項目も廃止された。国家通貨審議会(CMN)が統括していたレアルとの投機回避のための為替操作や為替先物取引契約の規制、証券取引所や両替商の組織と監督などは中銀に移される。