国際的ジャーナリスト「モラエス判事は独裁的」=右派アカウント停止を批判

最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事は13日、ネット上のボルソナロ派のインフルエンサー(影響力のある人物)のツイッター・アカウントの停止命令を出した。この前後から国際的有名ジャーナリストがモラエス判事に反論し、話題を呼んだ。13〜15日付現地紙、サイトが報じている。
禁止処分を受けたのはポッドキャスターのモナルキ氏やアカウント「テ・アトゥアリゼイ」で知られるバルバラ氏、次期連邦下議のニコラス・フェレイラ氏ら、いずれも数百万人のフォロワーを持つ有名人だ。彼らは8日の三権中枢施設襲撃事件を肯定。三権への攻撃をさらに煽る発言で物議を醸していた。
その直後、リオ市在住の米国人ジャーナリストのグレン・グリーンウォルド氏がモナルキ氏のインタビューを行い、「近代民主主義国家でモラエス判事ほど独裁的な判事はいない」(ナチ党合法化擁護で注目された)「モナルキ氏の発言は言論の自由の範囲を超えていない」と批判し、注目を浴びた。
グレン氏は米国の諜報機関の国際スパイ疑惑を漏洩したエドワード・スノーデン氏からの情報をスクープ。ブラジルでも2019年に、セルジオ・モロ元判事ら、ラヴァ・ジャット作戦関係者の携帯電話の盗聴記録を報じた「ヴァザ・ジャット報道」で話題を呼んだ。
ヴァザ・ジャットでは保守派に不利な言動をしていた同氏だが、今回は保守派の好感を得、左派から批判を受けている。同氏は「ラヴァ・ジャットの際もメディアがモロ氏をおかしくした。今回の件でも、モラエス氏への無批判な礼賛が続くようでは先行きが不安だ」と語っている。
米国では9月にも、ニューヨーク・タイムズ紙にモラエス判事に判断が集中していることを疑問視する記事が掲載されている。
グレン氏はサイト「インターセプト」の英語版、ブラジル版を運営していたが、現在は離脱。インターセプトはボルソナロ派に厳しい報道を続けている。
ボルソナロ派の論客への風当たりは強く、検察が虚報拡散などで捜査中のジョーベン・パン局は、アカウント凍結処分を受けたロドリゴ・コンスタンチーノ氏らを解雇した。