アメリカーナス、BTG銀行と泥沼訴訟=大手銀行と責任のなすりつけ合い

不正会計によって200億レアルの巨大損失を記録した小売り大手のロージャス・アメリカーナスが、BTGパクトゥアル銀行を相手取った訴訟を始めた上、イタウ銀行、ブラデスコ銀行といった国内の大手銀行とも対立関係が生じている。27日付現地紙、サイトが報じている。
12日に不正会計による200億レアルの損失が発覚して以来、アメリカーナスの経営は火の車状態だ。
この損失を受け、債権者の一人のBTGパクトゥアル銀行はアメリカーナスとの間の契約条項を発動。アメリカーナスに債務の支払の前倒しを要請し、資産12億レアルの差し押さえを求める訴えを起こし、認められた。
だが、リオ州地裁が24日、アメリカーナス側の言い分を認め、補填を保証する必要はないとの判断を下した。しかし、翌25日には高等裁がBTG側の主張を支持。アメリカーナスに補填義務の遂行を言い渡した。
アメリカーナスはブラジル国内だけでなく、米国でもBTGを訴えている。訴状によると、200億レアルの損失の判明直後にBTGが大量の融資を引き払い、資産凍結を求めたことが同社の危機的状況を招いたと主張している。同社は「BTGが債務の支払前倒しや資産凍結を求めたのを見た他の銀行もそれに追随した結果、さらに30億レアルの損害を被った」としている。
また、アメリカーナスは22日に、イタウ銀行、ブラデスコ銀行という国内の2大銀行を同社崩壊の理由とする声明を出していた。同社を経営するパウロ・レマン氏、マルセロ・エルマン・テレス氏、カルロス・アルベルト・シクピラ氏の国内3大富豪による企業「3G」が声明を発表し、「不正会計に関してこれまで何も異常らしいことを伝えられていなかった」「社内の監査でもPwC社の監査でも何も発見されなかった」とし、不正会計の原因を外部取引、特に銀行に求めた。
これを受け、イタウ、ブラデスコの両銀行は猛反発。「責任はあくまでも企業側にあり、銀行のせいにするのは筋違いだ」との見解を示している。