不法採掘の取り締まり本格化=ロライマでは航空機破壊も=パラー州でも「金の牛作戦」

【既報関連】ロライマ州のヤノマミ族居住地での金の不法採掘が水銀中毒や栄養失調、マラリアといった保健衛生上の問題や犯罪増加を招いた事が世界的なニュースとなった事を受け、金の不法採掘の取り締まりが本格化と6~8日付現地紙、サイトが報じた。

フラヴィオ・ジノ法相は6日、ヤノマミ族居住地での活動を今週中に人道支援と空域閉鎖から警察活動に切り替えると発表。警察活動は、金鉱夫や不法採掘への資金提供者に対する強制的な性格を持つものを指している。
また、先住民相の要請で、ヤノマミ族居住地に治安部隊100人以上を派遣する事と彼らの最初の任務は国立インジオ保護財団(Funai)の本部や保健所を含む諸機関の安全確保である事も発表した。
金鉱夫達は既に陸路や水路で退出する動きを見せていたが、他に方法がない金鉱夫達の要請で空軍は空域封鎖を一時的に解除した。
一方、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)やFunai、治安部隊は8日から警察活動を開始し、午前中に金鉱夫達が放置した採掘場の施設や小型機1機、ブルドーザー1台を破壊した。現場では銃2丁とボート3隻、燃料5千リットルも押収された。
8日付現地紙によると、空軍は不法採掘を支援するための航空機の発着場を840カ所確認しており、ヤノマミ族居住地だけで75カ所あるという。不法採掘施設摘発などの警察活動は今後も続く。
また、航空機発着場が840カ所あるという事は、不法採掘地は他の地域にも広がっている事を示す。国立宇宙研究所が米国の大学と行った調査では、パラー州のカイアポ族居住地やムンドゥルク族居住地の不法採掘地はヤノマミ族居住地の4・2平方キロを遥かに凌ぐ77・1平方キロと15・6平方キロとなっている。伯国鉱物院も国内の不法採掘地は計19・6万へクタールで、鉱業用採掘地の17万ヘクタール以上と発表している。
連警は8日、パラー州マラバー市とクリオノポリス市にまたがる農園での金の不法採掘と環境犯罪を摘発する「金の牛作戦」を実施。森林伐採や土壌と河川の汚染などの環境犯罪の被害は200億レアルとされ、逮捕令状1件、家宅捜査令状9件が出た他、1・61億レの資産凍結と時価2億レの農園の差し押さえも行われた。