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ジョアン6世の時計=スイス大使館が修復仲介?=世界で2個の希少品に希望=文化相がメディアに明かす

2023年2月11日

ジョアン6世の時計を引き倒そうとしている男性(Divulgacao)
ジョアン6世の時計を引き倒そうとしている男性(Divulgacao)

 【既報関連】1月8日の三権中枢施設襲撃事件で破壊されたジョアン6世の時計が修復できる可能性が出てきたと、8~9日付現地サイトが報じた。
 この時計は17世紀にフランスのルイ14世の宮廷家具師のアンドレ・シャルル・ブールがデザインし、ルイ14世の時計職人だったバルタザール・マルティノが製造後、フランス王室がジョアン6世に寄贈。ブラジル到着はポルトガル王室がナポレオン戦争を逃れてブラジルに宮廷を移した1808年で、ジョアン6世自身が持参した。
 マルティノの作品で現存しているのは大統領府3階に展示されていたジョアン6世の時計とフランス王室が保管しているものの2点のみだが、ジョアン6世の時計は1月8日に大統領府に侵入した男性の手で破壊された。
 だが、1カ月後の今月8日、マルガレス・メネゼス文化相が、スイス大使のピエトロ・ラッツェリ氏が電話をかけてきて、年代物の時計の修復の経験がある同国の企業が協力を申し出ていると伝えた事を明かした。具体的には、同国の修復者がブラジルに来て、ブラジル側の修復者と交流を築き、共同で作業を行うというもので、スイスの会社の求める唯一の報酬はブラジルとスイスの専門家の間の交流が行われる事だという。
 この時計は数十年間製造されていないタイプのブロンズや亀の甲羅を使っているなど、多くの特殊性があり、修復が困難な品の一つとされているが、スイス企業の申し出によって可能性が出てきた。
 1月8日の襲撃事件で損害を受けた文化財や公共物の被害額の算定は国立歴史美術遺産院(IPHAN)が担当しており、1月に提出した報告書では時計の修復が可能かは定かではないと報告。文化相も修復は困難との見通しを表明していた。
 メネゼス氏は今回の申し出をブラジルの民主主義をより強めるものと評価しているが、ローザ・ウエベル最高裁長官も1月8日の出来事はブラジルの民主主義をより強固にしたと発言。
 最高裁は1日、最高裁内の博物館に1月8日に起きた施設破壊の痕跡を集めたコーナーを開設。上院でも院内の博物館に同様の展示コーナーを開設するための法案が提出されており、本会議場前の廊下やサイトにもメモリアルコーナーを設ける予定だという。


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