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リヴラリア・クルトゥラ=サンパウロ州地裁が破産を宣告=サンパウロ市の文化拠点の書店

2023年2月11日

クルトゥラの店舗(facebook)
クルトゥラの店舗(facebook)

 サンパウロ州地裁は9日、大手書店リヴラリア・クルトゥラに対し、破産を宣告した。長年にわたり、サンパウロ市の文化発信の拠点としての役割を果たしてきた同店の破産は強い波紋を投げかけている。9、10日付現地紙、サイトが報じている。
 この決定は破産・司法回復裁判所第2法廷のラルフォ・ワルド・デ・バロス・モンテイロ・フィーリョ判事が下した。同伴事は民事再生を求めていたクルトゥラ側に対し、「同店が経済のみならず、個人や社会、本の読者から一般の消費者に至るコミュニティに対して大切な存在であることは承知しているが」と前置きをした上で、「悲しいことだが、司法界から見た場合、同店は危機を乗り越えられていない」として破産を宣告した。
 クルトゥラは1947年に創設。サンパウロ市の金融の拠点パウリスタ大通りと、市内屈指の繁華街アウグスタ街が交差するビルに本店を構え、70年以上にわたり、サンパウロ市の文化の中心地と目されていた。販売品目は本だけにとどまらず、音楽や映画のソフトにも及び、本店の隣には同社運営の映画館もある。支店は市内のみならず、最盛時には全国16市に店舗を構える国内書店の最大手のひとつだった。
 だが、2000年代からはネットの普及に伴う出版不況に加え、2014年からのブラジルのリセッションが打撃となり、2018年に民事再生手続きに入った。2019年の時点での負債は2億8500万レアルと発表されたが、2020年に債権者が求めた条件を受け入れなかったことで状況が悪化。破産宣告がなされる可能性はこの年から出ていた。
 モンテイロ判事によると、再建の条件で求められていた、2021年6月までの従業員への負債完済が守られておらず、毎月提出すべき報告でも書類の不備や提出義務不履行があったと報じられている。また、2021年4月までに完済すべき債務の未払いなども民事再生手続き上の条件不履行に数えられている。
 クルトゥラ側は判決を不服とし、控訴の構えを見せている。

◆関連コラム
 サンパウロ市の大型書店リヴラリア・クルトゥラの破産宣告はサンパウロ市民に大きなショックを与えているが、同じアウグスタ街にある老舗映画館「エスパッソ・イタウ別館」も、16日20時に行う長編の無料上映で幕を閉じる。これは映画館の土地の所有者となった企業「ヴィラ11」が同地の再開発を希望しているためだ。取り壊しの対象となっているのは同映画館別館とその隣の伝統的喫茶店「カフェ・フェリーニ」。隣接する本館はそのまま営業を続ける。規模縮小に関して、長年愛されてきた場所だけに、利用者たちの間で取り壊し反対の署名運動も起き、サンパウロ州検察局も捜査を始めていたが、止められなかったようだ。


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