応用経済調査所=28・14万人が路上生活=コロナ禍前を38%上回る
応用経済調査所(IPEA)が、2022年のブラジルの路上生活者は28・14万人で、新型コロナのパンデミック前の2019年を38%上回ったと発表したと13日付現地サイトなどが報じた。
昨年11月にバイクで事故に遭い、収入の道が閉ざされたため、家族や親族とも縁を切り、サンタカタリーナ州からブラジリアに出てきたマウロ氏は、郷里に戻りたいと思っているが、誰からも支援を得る事ができず、路上生活者の支援を行っているPOPセンターの一つを訪れた。
マウロ氏は、家族や親族とも縁を切り、誰にも頼れなくなったことが、路上生活を始めることになった原因だと思うとし、「以前なら小銭を持ち、食事をする事もできていた。だが、今は、何かを食べ、故郷に戻るための旅費を得るためにここに来た」と言う。
IPEA調査員のマルコ・アントニオ・カルバーリョ・ナタリノ氏は、路上生活者の増加率が人口増加率を遥かに上回っている事、しかも、ここ数年間は増加率が右肩上がりになっている事に警鐘を鳴らしている。路上生活者は2012~22年に211%増えたが、地理統計院(IBGE)が算定したこの間の人口増加率は11%に過ぎない。
IPEAによると、路上生活者の半数以上(15・1万人)は南東部に住んでおり、以下、北東部、南部、中西部、北部と続く。調査では北部は路上生活者が最も少ない地域となっているが、それでも、19年と22年の比較では8千人が1万8千人となり、倍以上に増えている。