ロライマ州=知事の親族らに不正疑惑=不正な金売買と資金洗浄

ロライマ州で不法採掘された金の売買や資金洗浄を取り締まる捜査「BAL作戦」が行われ、同州知事の親族も対象となったと10日付G1サイトなどが報じた。

同州は金の不法採掘に伴う水銀公害の発生や、金鉱夫による犯罪行為の横行で、同地域に暮らすヤノマミ族に深刻な生命の危機がもたらされていると世界中に報道され、注目を浴びている。
10日未明に始まった家宅捜査の対象者には、同州知事のアントニオ・デナリウム氏の姉妹のヴァンダ・ガルシア・アルメイダ氏や知事の甥のファブリシオ・デ・アルメイダ氏らが含まれていたが、知事自身には嫌疑はかかっていないという。
連警によると、ファブリシオ容疑者の自宅では銃9丁が見つかった。同容疑者はスポーツ射撃愛好家とされているが、全ての銃が正式に登録されているかは報じられていない。
なお、同容疑者は2010年、ダイヤモンドを所持していて、ロンドニア州で逮捕された事がある。
連警によると、10日のオペレーションの目的は、ヤノマミ族居住地で不法採掘された金を合法的に見せかけて売買していた犯罪組織による資金洗浄(マネーロンダリング)の摘発で、デナリウム知事の場合、姉妹や甥以外の親戚も捜査対象に含まれていたという。
デナリウム知事はオペレーション後、ヴァンダ氏やファブリシオ氏に関する捜査や嫌疑の事は何も知らなかったとし、違法な行動があったなら法の裁きを受けるべきと明言。事実関係の解明のためには協力を惜しまないとも語っている。
連警はこの日、ロライマ州とペルナンブコ州で8件の家宅捜査令状を遂行。資産の差し押さえも行われた。
今回の捜査のきっかけは、連邦道路警察がロライマ州内で不審な車を見つけた事で、不審車に乗っていた容疑者達が別件捜査の対象だった容疑者達と共に資金洗浄を行っていた可能性が浮上。捜査を続けたところ、容疑者達は組織的な犯罪により、2年余りで6400万レアルを動かしていた事が判明した。
容疑者達はダミー会社を使って国内の資金提供者から金を受け取ると、ロライマ州内で不法採掘された金を買い集めている人や会社と連絡をとり、現金や口座送金によって合法的な金に見せかけて買い取っていたという。
また、家宅捜査の対象者の1人の自宅からは5トンの錫石も発見された。連警はこの錫石もヤノマミ族の居住地で不法採掘されたものだと見ている。
なお、この日は不法採掘の拡大を抑制するための「リベルタソン作戦」も始まり、不法採掘を行っていた金鉱夫達を支援し、資金を供給していた人物や企業を特定するための証拠の押収と、金鉱夫達を支援するための施設や機材の破壊などが並行して行われた。
10日付G1サイトは、リベルタソン作戦を担当するウンベルト・フレイレ連警環境担当警部は同日、ヤノマミ族居住地での不法採掘のための資金提供者は既に特定済みであると語ると共に、ヤノマミ族居住地での出来事に関してはジェノサイドの可能性についても捜査する意向を表明したと報じている。