ジウマール最高裁判事=ルーラの大統領令は「合憲的」=銃規制緩和派の訴訟も無効に

ジウマール・メンデス最高裁判事は15日、ルーラ大統領が出した、ボルソナロ政権時の銃規制緩和を厳しくする大統領令に「合憲的」との判断を下した。これによって、銃規制反対派による訴訟も受け付けられなくなる。15、16日付現地紙、サイトが報じている。
ルーラ大統領は1月に就任した早々、収集家(コレシオナドール)、スポーツ射撃家(アチラドール)、狩猟家(カサドール)のいわゆるCACと呼ばれる人たちの新たな登録の禁止や入手できる銃や弾の数の減少、ガンクラブや射撃学校の新たな登録の禁止などを定めた。
これに対し、ブラジル銃協会をはじめ、銃規制緩和を主張する人たちからルーラ氏の大統領令を疑問視する声が起こっていた。銃規制緩和はボルソナロ前大統領が最も主張し、最も早く取り組んだことのひとつで、CACによる銃の登録や個人が所有する銃の数が急増していた。
ジウマール判事の判断は、国家総弁護庁(AGU)が求めた見解に答えたもので、結果的には反対派に対する牽制にもなった。同判事はルーラ大統領の行った判断が、「最高裁を始め、銃問題に対するここ数年間の司法機関の判断とほぼ一致している」として、1月に出された銃規制令を合憲的とした。
ジウマール判事は、CACに有利になっていたボルソナロ前大統領による大統領令や政策に関して、「生命の保護」など、憲法で定められたことと照らし合わせた場合に誤っているところが見られるとの見方も示した。
さらに、「銃を持つことが人間としての基本的な権利」というような要素は、憲法を見ても存在しない、との見解を示している。
ジウマール判事はこの司法判断と同時に、大法廷での全体審理までの間、ルーラ大統領が出した銃規制に関する大統領令の合憲性を問い、銃所持や銃登録の有効性などを求める訴訟を法廷で議論することを一時的に停止することも定めている。