サンパウロ市=社会扶助生活者が転落し=問題あった劣悪宿泊施設で
19日、サンパウロ市の路上生活者収容施設(アルベルゲ)で45歳の社会扶助生活者男性が階段から転落する事故で亡くなった。その施設はかねてから問題が指摘されており、市が運営を停止しようとしていた矢先だった。19日付フォーリャ紙(1)が報じている。
事故が起きたのは、サンパウロ市東部アグア・ラーザにあるCTA(一時宿泊センター)で、階段で転倒。男性は後ろ向きに倒れ、階段の一つで後頭部を打ち、切り傷もできた。男性は心肺停止状態となっていたため、救急隊員が蘇生術を施した上でモオッカのジョアン23病院に運んだが、助からなかった。
男性は2019年から市の社会援助サービスを受けており、今年の1月から同CTAで暮らしていた。
このCTAはかねてから劣悪な環境が問題視されており、13日付フォーリャ紙では、「便器が不足し、壊れている」「シャワーがない」「手すりが壊れている」といった収容者の不満の声を報じている。これを受け、サンパウロ市側も施設の環境の悪さを認め、運営停止と18日までに収容者を他の施設に移すことを決めていたが、19日もまだ、60人ほどが施設内に残っていた。