ロシア人スパイ、ブラジル人として国際司法裁判所へ=ウクライナ審理に参加希望
ブラジル人になりすまし、昨年4月に逮捕されたロシアのスパイ、セルゲイ・チェルカゾフ容疑者(36)に対し、米国FBIが10年以上の実刑を求めている。また、同容疑者のブラジルでの生活が明らかにされた。30日付G1サイト(1)が報じている。
チェルカゾフ容疑者は昨年4月、オランダのハーグにある国際司法裁判所にブラジル人ヴィクトル・ムーレル・フェレイラなる名義でインターンとして働くことを希望した際、FBIからの情報提供を受けたオランダ当局が採用を拒否した上、本人をブラジルに送致したため、聖州連邦警察が虚偽文書使用で逮捕した。今月27日、サンパウロの連邦裁判所は同容疑者に15年の禁固刑を宣告している。同容疑者はロシアによるウクライナ侵攻に関する審理に関わることを希望していた。
チェルカゾフ容疑者は大学生の肩書で米国留学していた2018年に麻薬取引などの犯罪も起こしており、FBIが10年以上の実刑を求めている。
ロシア側は同容疑者の強制送還を求めているが、ワシントン・ポスト紙は米国裁判所での起訴によりロシアへの引き渡しが困難になる可能性があると報じた。
FBIによると、チェルカゾフ容疑者は2010年にロシアのパスポートでブラジルに初めて入国。2009年に1989年生まれのブラジル人としての出生証明が作られていた。
2014年からはブラジル人として生活しており、ブラジルで職を持ち、恋人もいたという。