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自動車産業=好転見せるも伸び悩み予想=減速の主因は金利高止まり

2023年4月12日

昨年同期比で好転だが、伸び悩みが予想される自動車業界(Arquivo/Agencia Brasil)
昨年同期比で好転だが、伸び悩みが予想される自動車業界(Arquivo/Agencia Brasil)

 全国自動車工業会(Anfavea)が10日、第1四半期の自動車生産は昨年同期比で8%増の49・61万台だったが、今年も業界は伸び悩むと見ていると同日付アジェンシア・ブラジル(1)(2)などが報じた。
 マルシオ・デ・リマ・レイテ同会会長は、昨年同期が2004年以降で最悪だったために今年はそれを超えただけで、現在のシナリオは昨年と変わっていないという。同会長は、第1四半期は生産活動停止が8回起き、生産シフトを減らした会社が2社あるとし、車両生産は通常の水準を大幅に下回っていると強調。業界減速の主因は経済基本金利(Selic)の高止まりとした。
 なお、第1四半期の自動車販売数は昨年同期比で6・3%増の47・18万台を記録。輸出は3・9%増の11・22万台だった。
 乗用車の生産は9%増の41・64万台、販売は15・1%増の34・6万台で、輸出は3・8%増の9万台。トラックの生産は28・8%減の2・45万台だったが、販売は6・6%増の2・86万台だった。
 雇用者は1月10・21万人、3月10・16万人で大きな増減はなかったが、レイテ氏は現在の状況は「黄信号」と評価。支援策導入を求めて連邦政府と交渉する意向だ。
 業界の見通しが明るくないことは、ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)のアントニオ・ジョージ・マルチンス教授らも認める。
 高金利は融資利用時の返済額増や経費増を招く上、融資やローンの利用も困難にする。高金利に伴う経費増はコンポーネント部品や半導体の価格調整、為替切り下げ、高インフレなどと重なり、車両価格上昇も招く。
 ABC地区金属労組で統計業務を担当するルイス・パウロ・ブレシアニ氏も、高金利が車両生産の飛躍的な伸びを妨げている上、技術投資分も含めた経費回収のための高額商品売り込みは消費市場を縮小させ、需要の落ち込みも招くと分析。需要低下や過剰在庫は生産活動停止なども招くが、これらの声は金利低下や財政上の条件改善だけでは生産活動急伸は望めないことや、生産活動減速で雇用の減少、購買力低下という悪循環が起きる可能性も示唆している。


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