リラ下院議長、下院最大勢力を新結成=3分の1、分離派に対抗

アルトゥール・リラ下院議長(進歩党・PP)が下院内に170人を超える最大勢力を新たに作った。12日付フォーリャ紙などが報じている。
このグループはPP、ウニオン、民主社会党(PSDB)、シダダニア、連帯(SD)、パトリオッタ、アヴァンテの他、ルーラ政権の協力政党である左派のブラジル社会党(PSB)や民主労働党(PDT)の下議で構成されている。人数は173人で、下院全体の約3分の1にあたる。
これは、中道勢力セントロンから離反した共和者(RP)が、民主運動(MDB)、社会民主党(PSD)、ポデモス、キリスト教社会党(PSC)と協力し、142人のブロックを結成したことに、リラ議長が反発したものだ。
これらの派閥分裂は、2025年2月以降のリラ議長の次の下院議長選候補を模索しての動きととらえられている。先に分離したグループは、次期下院議長戦でマルコス・ペレイラ下議(RP)やイズナルド・ブリョンエス下議(MDB)を推している。
なお、このグループには、ルーラ大統領の労働者党(PT、68人)やボルソナロ前大統領の自由党(PL、99人)は含まれていない。
連邦政府は新たなブロックの結成に驚いたが、現時点では、これがすぐに現在の議会での政局を変えることはないと解釈しており、「注意深く動向を観察していく」意向だ。
ただ、リラ議長のブロックでリーダーを務めるのはPSBのフェリペ・カレラス下議、副リーダーがPDTのアンドレ・フィゲイレード下議と、共に協力政党の議員であることは、ルーラ政権にとっては朗報と言えそうだ。
リラ議長は新たなブロックについて、「国にとっての約束と責任を引き受けるデモンストレーションだ」「対立ではなく集合だ。意見の違いを認めながら、国や重要なプロジェクトのためにまとまっていくのが最良の道だ」と抱負を語っている。