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土地占拠運動が今年激増=指導者はルーラと訪中

2023年4月18日

MSTリーダーのステディレ氏(Rafael Stedile/MST)
MSTリーダーのステディレ氏(Rafael Stedile/MST)

 今年に入ってから起きた定住地を求める土地占拠はボルソナロ政権初年を既に超えているが、土地なし農民運動(MST)の指導者が4月17~21日に全国で土地侵略などを行うと語ったことで、農業族議員前線(FPA)や全国農業連合(CNA)がリーダー逮捕などを求めて司法当局に訴えたと5、12、14日付エスタード紙(1)(2)(3)、11、14日付カナル・ルラル・サイト(4)(5)、14日付グルーボサイト(6)(7)(8)(9)などが報じた。

アラゴアス州での抗議デモに参加したMSTの人々(Divulgação/MST)
アラゴアス州での抗議デモに参加したMSTの人々(Divulgação/MST)

 定住地を求める土地占拠は既に16回起きており、ボルソナロ政権初年の2019年の11件を超えた。今年の攻勢の内7回はMST、9回は農村と都市闘争の国民戦線(FNL)によるものだ。3月21日付R7サイト(10)によると、前政権中の土地占拠は62回。3月20日現在の13回で19年の数を超えた。
 今年の土地占拠には3月1日に起きたバイア州南部にある紙・セルロース大手スザノ社の農園4カ所の占拠も含まれており、農園主らは懸念を隠せない。
 特に心配なのは、11日に国立植民農地改革院(Incra)侵入事件も起こしたMSTの動きだ。リーダーのジョアン・ペドロ・ステディレ氏は同日、17~21日に土地侵略などの様々な行動を行うと宣言するビデオを公開。同氏はルーラ大統領に同伴して訪問した中国でも、4月以降も土地侵入などを継続すると語った。
 17日への言及は、1996年4月17日にパラー州エルドラード・ドス・カラジャスで起きた軍警による農道同封鎖の農民19人殺害事件を記念したものだ。この事件では、農地改革のために地域の農園接収などを求めて州道150号線を封鎖した農民約1500人が至近距離から銃撃され、19人が死亡、69人が負傷。MSTが「赤い4月」と称する抗議デモや官公庁侵入、土地占拠などを行う契機と

バイア州南部のスザノ製紙の農園を占拠した人々(MST BAHIA/Divulgação)
バイア州南部のスザノ製紙の農園を占拠した人々(MST BAHIA/Divulgação)

なった。
 これに対し、FPAは、ステディレ氏の言動は農園主達に対する脅迫にあたるとして、連邦検察庁と連邦直轄区検察局、聖州検察局並びに、国家総弁護庁(AGU)、連邦会計検査院(TCU)に同氏に対する捜査と逮捕を求める文書を送付。
 CNAも、所有地への侵入や占拠を防ぐための暫定令を求めて最高裁に提訴している。


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