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農業生産に気候変動の影響=昨年は大豆が1・7%減産

2023年4月19日

機械化された農園(CNA/Wenderson Araujo/Trilux)
機械化された農園(CNA/Wenderson Araujo/Trilux)

 リオ・カトリック総合大学(PUC-Rio)気候政策イニシアチブ(CPI)が、農村部の保険に関する地図を作り、気候変動に直面する中での農業の安全性確保のための効果的な行動を提案していると16日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
 CPIの研究は大豆の生産に焦点を当てて行われている。2022年の大豆生産量は前年比で1・7%減っており、気候変動がその主要因とされている。
 地理統計院(IBGE)によると、農業生産を阻害するような悪天候が増えたことで保険補償が増え、利用可能なオファーが減少。その結果、農業生産者への補償の範囲が縮小しているという。
 また、民間保険監督局(Susep)によると、2021/2022農業年度(農年)は深刻な干ばつのため、補償額が前農年の4倍以上に増えている。
 ブラジルは世界最大の大豆の生産国で、大豆は国内の農業生産の主要産物であるだけでなく、最も保険が掛けられている品だ。国内での大豆の栽培は拡大しているが、農家が一連の気候リスクにさらされる度合いは増しており、損失が生じる可能性がある。
 気候変動や地勢的な要因のため、一部地域の気候リスクは他の地域よりも大きくなる。調査では、マラニョン、トカンチンス、ピアウイ、バイアの各州と、リオ・グランデ・ド・スル州北西部、パラナ州西部は大豆の大生産地だが、生産性の差が大きい。これは不安定な気象現象が原因である可能性がある。
 リスク管理の手段は農業生産者が自然災害から身を守るのに役立つ。研究では大豆保険の適用範囲が南部と中西部に集中していることが分かっている。
 2006~18年の南部での大豆の生産量は全国の37%だが、保険契約数の60%、保険料の43%を占めていた。中西部は大豆の作付面積の45%、生産額の44%を占めているが、保険契約数は20%、保険料の34%を占めるのみだ。
 大豆保険の適用範囲は拡大中で、保険契約を結んでいる自治体数は2008~18年に22%増えた。それでも1千市以上は保険契約を結んでいない。保険適用率が低いのはサンパウロ州の大半、サンタカタリーナ州西部、リオ・グランデ・ド・スル州北部だ。
 大豆の生産地域と保険契約締結市は増えているが、その割合はばらついている。北東部は作付面積が8%、生産額が8%、保険料の9%を占める一方、保険会社が支払った補償額の18%を占めた。これはこの地域のリスクが高いことを示す。
 研究によると、ここ数年間の大豆生産に影響を与えている気象現象は干ばつと過剰な雨だ。干ばつの確率や損失発生に最も影響を与えている気候変数は降水量と火災や風のリスクで、火災リスクの指数が高いと干ばつのリスクが高まる。また、大雨や暴風雨の発生は過度の降水や強風による被害を引き起こす。
 調査のコーディネーターのプリシラ・ソウザ氏は連邦政府による農業関連の保険拡大刺激策導入を擁護しており、気候変数の特定は将来の損失を予測するのに不可欠で、公共政策の実施と保険会社が効果的な行動をとるために重要だと説く。同氏によると、これは、農村向けの保険料補助プログラムへの投資と保険契約のコスト削減、気候リスクの農業ゾーニングの改善、再保険市場の強化によって実現できるという。


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