シルヴェイラ元下議=前大統領の恩赦認められず=最高裁判断で実刑確実に
最高裁は10日、ダニエル・シルヴェイラ元下議に対してボルソナロ前大統領が出していた恩赦を判事投票8対2で無効とした。10日付CNNブラジルなど(1)(2)が報じている。
これは、最高裁判事の全員更迭や軍政令第5号(AI5)の擁護で21年2月に現行犯逮捕されたシルヴェイラ氏に対し、22年4月に最高裁が8年9カ月の実刑判決などを下したことに対し、翌5月にボルソナロ(当時)大統領が、一個人に対しては異例となる恩赦を出したことに関して行われたものだ。
この恩赦は最高裁が当時から疑問視していたが、刑執行延期の効力はあったものの、シルヴェイラ氏の被選挙権の回復はできない性質のものだったなどの理由で、審理が先延ばしとなっていた。
同件の審理は4月27日に始まったが、初日は投票は行われず、3日に審理を再開。報告官のローザ・ウェベル長官が「違憲行為」として恩赦無効を勧めると、アレッシャンドレ・デ・モラエス、エジソン・ファキン、ロベルト・バローゾ、ジアス・トフォリ、カルメン・ルシア判事が賛成。ボルソナロ大統領の推薦で選ばれたカシオ・ヌーネス、アンドレ・メンドンサ両判事が反対したところで審理が中断していた。
10日にはルイス・フクス、ジマール・メンデス両判事も賛成して結審。最終的には8対2でシルヴェイラ氏の実刑が決定した。