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7月からエルニーニョ現象か=気候変動の影響受ける農業

2023年5月16日

干ばつで枯れた大豆(Vinny Vanoni/PMPA)
干ばつで枯れた大豆(Vinny Vanoni/PMPA)

 赤道周辺で日付変更線付近の太平洋から南米沿岸にかけての海面水温が高まり、異常天候をもたらす要因の一つのエルニーニョ現象が6月末から7月初めに始まりそうだと11日付MetSul気象学サイト(1)(2)が報じた。
 海面水温が平均を上回る地域は4月の段階で赤道太平洋の東中央部まで広がり、南米沿岸付近の温暖化は顕著で、エルニーニョ発生の兆候はもう出ている。
 同様の見解は米国海岸大気局(NOAA)が11日に出した報告書にもあり、60日以内(5~7月)にエルニーニョ現象が始まると予測されている。
 同局によると、赤道太平洋中部のニーニョ3・4と呼ばれる海域の海面水温は平均より0・4度高い。この海域の水温が0・5度以上高いとエルニーニョとみなされるから、発生は間近だ。
 また、エクアドルやペルー近海のニーニョ1+2と呼ばれる海域の海面水温は2・7度高く、沿岸部でのエルニーニョはかなり強いという。沿岸エルニーニョの影響は世界大とはならないが、この状態だとペルーやエクアドル、チリといった国には異常が生じ得る。
 また、NOAAは5月中旬から下旬に西風現象が起きて海洋熱量が平均を上回る高水準となり、強いエルニーニョ現象が起きる可能性を指摘。西風が強いと海面水温の温暖化を加速させるためで、今回のエルニーニョは、2024年初めまで続く見込みだという。
 エルニーニョの強さはニーニョ3・4の海綿水温で決まり、1度以上高い状態が起きる可能性は最大80%、1・5度位以上高い状態も最大55%とされており、2度以上高いスーパーエルニーニョの発生もあり得る。2015~16年のスーパーエルニーニョ時は15年11月18日のニーニョ3・4の水温が3・1度高かった。スーパーエルニーニョだと、アルゼンチン中~北東部やウルグアイ、ブラジル南部、パラグアイで集中豪雨や暴風雨、洪水などの被害が出やすい。
 8日付G1サイト(3)によると、ブラジルの農業界は2013~22年の異常気象で2870憶レアルの被害を被った。最悪は22年の850憶レアルで、前年比で90%増えた。被害額の65%は干ばつによるが、大雨の被害もかなり大きい。地域別では北東部が36%、南部が33%を占めた。


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