期限切れで失効した暫定令も=一部内容は抱き合わせて補完

【既報関連】組織再編のための暫定令(MP)は、環境や先住民対策を要の一つとしている現政権には敗北ともいえる変更を経たものの、省庁やそれに準ずる機関の数は保ったまま失効前日に両院通過という綱渡り的様相を見せたが、審議、承認されずに失効したMPもあると2日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)(5)(6)が報じた。
2日失効のMPは組織再編のためのMPと同時に出た七つのMPの中の三つで、MP審理のための特別委員会の構成を巡る上下両院の綱引きの長期化と現政権の政局調整不足で失効した。MPは120日以内に両院で承認されなければ失効し、同じ内容のMPを同じ年に出すことはできない。ただ、いくつかのMPの内容は別のMPに盛り込んだりすることで保たれた。
失効MPの一つは、資金洗浄(マネーロンダリング)防止や撲滅に取り組む金融情報部門の金融活動管理審議会(Coaf)を財務省傘下に戻すためのMPだ。同審議会は前政権で財務省から法務省を経て経済省に移管後、中銀傘下に置かれた。現政権では再度財務省傘下に置かれたが、中銀傘下に戻る。
また、納税者と税務当局の紛争を裁く税務監理審議会(Carf)で票が割れた時の決定票を税務当局が務める議長に与え、政府側を有利にするMPも失効した。2020年裁可の法令では票が割れた時は納税者が有利になるよう配慮されていた。連邦政府は同MPによる税収増を公的赤字の一部削減の手段と見ていたが、発効直後から不評だった。
国立保健財団(Funasa)解体のためのMPも失効し、再創設される。特別委員会は組織再編のMPを修正した時、政府に同財団解体の権限を与える内容を盛り込んだが、下院審議で見直され、再創設が決まった。
低所得者への台所用ガス購入費支援のMPは、5月30日に行われたボルサ・ファミリアに関するMP審議の際、最低月額600レアルと子供1人に150レの追加支給と共に購入費支援を盛り込むことで内容を救った。
ディーゼル油やバイオディーゼル、液化ガス(LPG)、石油や天然ガスの派生品への社会統合基金(PIS)と社会保険融資納付金(Cofins)を年内免税とするMPと、PISとCofins算出時のベースから商品流通サービス税(ICMS)を外すためのMPは、前政権が出したイベントや観光部門の免税に関するMPと抱き合わせにして生き残らせている。