中銀=政権の意を酌む新理事2人が就任=ガリポロ、アキノ両氏を上院承認

上院は4日、中央銀行(BC)理事にガブリエル・ガリポロ氏を指名することを賛成39票、反対12票で承認した。棄権は1票。ガリポロ氏は、ブルーノ・セラ・フェルナンデス氏の後任として通貨政策担当理事に就任する。同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)が報じた。
これに先立ち、同氏は上院経済委員会(CAE)により、賛成23票、反対2票で承認されていた。ルーラ政権は、22年8月以降13・75%に据え置かれている経済基本金利(Selic)の引き下げを強く求めている。現中銀理事らがそれを拒む中、政権の意向を実現するために送り込まれた形になった。
一方、ロベルト・カンポス・ネットBC総裁は、物価上昇のペースをコントロールし、インフレ上昇機運を抑制するためだと正当化している。
ガリポロ氏は、彼を指名したフェルナンド・ハダジ財相の右腕で、財務省の事務次官を務めていた。中銀理事に就任するために、6月に財務省を辞したが、ブラジル銀行の評議員会議長は先日辞めたばかりだ。ネット総裁が任期を全うした後は、後任になるとも予想されている。
ガリポロ氏は上院の口頭試問の中で、「どんなに優秀なエコノミストであっても、選挙で選ばれた代表者の民主的な意思を無視して、国の経済的な運命を押し付けるべきではありません」と政治的意向を優先する発言をして市場関係者から不評をかった。
同時に承認されたアイルトン・アキノ氏は同行初の黒人理事となる。1998年以来、同行でキャリアを積み、同行主任監査役としていくつかの役職を歴任した。
同氏はパウロ・セルジオ・ネヴェス・デ・ソウザ氏の後任で、監査担当理事として承認された。投票は42対10で、棄権が1票。これに先立ち、CAEは賛成24票、反対1票でこの指名を承認していた。アイルトン氏は口頭試問で、同行は職員数減少に苦しんでいると強調し、新たな競争力を付ける必要性を指摘した。