盗難の放射性物質=サンパウロ市のスクラップ会社で発見=懸念される管理体制や責任

【既報関連】ミナス州ナザレノの鉱山会社AMGブラジルから盗み出された放射性物質のセシウム137入りのステンレス製のカプセル二つが、432キロも離れたサンパウロ市で見つかったと10日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)(5)が報じた。
カプセル紛失は6月29日に判明。市警や国家核エネルギー委員会(CNEN)に通報されてもなかなか見つからず、連警を動員する騒ぎに発展した。
ミナス州市警の捜査は秘密裏に行われ、AMGにもカプセル発見とCNENの指示に従い、同社に返却されるはずであること位しか知らされていない。
AMGによると、カプセルはサンパウロ州内で金属スクラップを扱うサンパウロ市の会社で見つかった。カプセルはCNENが定めた取り扱いと安全性に関するガイドラインに従ってAMGに転送されるという。
また、盗難発生の原因特定や再発防止策の立案、内部の管理プロセス関連のリスクの改善・軽減化のための措置採用などのための内部調査を強化する方針も明らかにした。
他方、同社から通報を受けたCNENは10日に技術者を派遣。サンパウロ市内のエネルギー・核研究所(Ipen)で完全性や線量率、使用状況などを評価するとの意向を示した。
セシウム137はリスク評価5で危険性は低いが、取り扱いを誤れば健康上のリスクを引き起こし得る。盗難発生から聖市に行きつくまでの経緯は解明中だが、より高リスクのものが盗み出された場合など、放射性物質を扱う会社の管理体制や管理責任への懸念はぬぐい切れていない。