観光相の交代正式に決まる=閣僚等のミニ改革まだ続く

昨年の大統領選挙でルーラ氏を支援したとして観光相に任じられたダニエラ・カルネイロ氏が、遂に観光相の座を降りることになったと13日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)が報じた。
ダニエラ氏はウニオン・ブラジル所属だったが同党を離脱したため、閣僚を含む役職は党への割り当てと主張するウニオンが早い時期から観光相交代を要求していたが、個人的な理由もあって留めたいルーラ氏は欧州訪問などを理由に交代時期を先延ばししていた。
だが、下院が税制改革のための憲法改正補則案(PEC)の承認に臨む際、賛成票が必要数を満たしたと見た連邦政府が観光相交代を再度先送りしようとしたのを見たウニオンが党としてPECに賛同するかを協議し始めたため、連邦政府が観光相交代を確約して同党の票をつなぎとめたという経緯があった。
正式な観光相交代は13日、ウニオン指名の後任候補セルソ・サビノ下議とルーラ大統領、アレッシャンドレ・パジーリャ大統領府渉外室長官の会合後に発表された。
観光相交代は重要案件承認の際に鍵となる政党の賛成票確保のための交渉劇の一つに過ぎない。現政権はPEC承認はおろか、通常の法案などを通すために必要な過半数の議席を確保できておらず、重要法案を通す際は、議員割当金の開放という常套手段と共に、セントロンと呼ばれる中道右派の議員集団を引き付けておくための役職提供といった形の交渉を必要としている。
7日付G1サイトなど(3)(4)によると、セントロンの中には予算が大きな保健相の座を求めた政党もあったが、女性閣僚を極力残したいルーラ氏は、保健相交代はないと公言。だが、セントロンはまだ、飢餓対策・家庭社会支援・開発相やスポーツ相、Caixa(連邦貯蓄銀行)総裁、郵便局長の座などを要請し続けている。
現在も交渉が続いている一例はCaixaで、10日付G1サイト(5)によると、セントロンは元閣僚で元Caixa総裁のジルベルト・オッシ氏を推している。同氏は進歩党(PP)のシロ・ノゲイラ上議とのつながりが強く、PPへの割当枠で役職を獲得する可能性がある。
現在のCaixa総裁のリタ・セラノ氏は財務省から良い評価を得ていない上、政界の後ろ盾がないため、交代は容易に起こり得るが、13日付オ・グローボ・サイト(6)によると、看板政策の生活扶助「ボルサ・ファミリア」を扱う社会支援・開発相については、ルーラ大統領自身が13日、「この省は私のもの。大臣は辞めさせない」と明言した。