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サンパウロ市=オートバイの電動化静かに進む=原動機付自転車が騒音まき散らす中

2023年7月18日

イジエノポリスのショッピングセンターの前に停められた宅配人が使う電気オートバイ(17日付エスタード紙の記事の一部)
イジエノポリスのショッピングセンターの前に停められた宅配人が使う電気オートバイ(17日付エスタード紙の記事の一部)

 17日付エスタード紙が、サンパウロ市ではオートバイやスクーターの電動化が進んだおかげで、原動機付自転車が「騒音王」と呼ばれていると報じた。
 一例は、信号で停まっている車の脇をすり抜けていく配達人の電動バイクだ。自分の車や周囲の車のエンジンの音に囲まれ、信号が変わるのを待っている運転手は、音もなく高速ですり抜けていくバイクに驚く。すり抜きざまに聞こえる音は、クランクリッド(トランクの蓋部分)が閉まる音くらいだ。
 それとは対照的に、原動機付き自転車が近付いてきた時は、街中に響く2サイクルエンジンの音に驚く。
 これは、パンデミックで食べ物などの宅配人が増えたことで、仕事を迅速化させるために電動のバイクやスクーターを使う人が増えた一方、普通の自転車に小型エンジンをつけたようなタイプの2輪車も増えたことで生じた逆転現象だ。
 サンパウロの大気の質と陸上輸送の脱炭素化にとって良いニュースは、宅配人達が使うバイクやスクーターの電動化を進めるモビリティ関連のスタートアップがもたらした。
 国連が発表した2022年の環境問題に関する報告書によると、全世界の大気温を産業革命前のレベルより1・5度高いレベルにとどめるためには、2030年までに温室効果ガスの排出量を45%減らさなければならず、陸上輸送部門の脱炭素化は基本中の基本とされている。また、世界保健機関(WHO)によると、大気汚染が原因で亡くなる人は世界中で700万人に及んでいる。
 ブラジルでは、オートバイやスクーターの数が2022年に346%増えた。22年に新規登録されたバイクやスクーターは約7千台で、130万台という新車の販売数と比べれば少ないが、その数は年々増えているという。
 このことは、新興企業のVammoやMottuなどの名前を冠した電動オートバイがますます一般的になってきている理由の説明にもなる。これらの会社から新しい電動オートバイを買うことができない人達は、1日最大50レアルを払って電動車両を借りているのだ。
 開業当初は約1千台でオペレーションを始めたMottuは今、電動車とガソリン車総計5千台以上を有する会社となった。Vammoも、電動車ばかり、200台を使って事業を行っている。
 Vammoの場合、電動のオートバイやスクーターは自宅で充電できず、サンパウロ市内かサントアンドレ市にある8カ所のポストで充電しなくてはならないが、サンパウロ市は巨大な市場で、オートバイの電動化は急進展中だという。
 電動車での配達推進企業にはIFoodなども挙げられる。同社は宅配人のため、Volts社製のEVSWorks(販売価格は1万5千レアル)の購入を支援したりしている。また、電気代はガソリン代より安く、宅配人達も燃料費の負担が減ったことを喜んでいるという。


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