観客がナチス式敬礼で物議=メタルバンド「セパルトゥラ」公演で

ブラジルのヘヴィ・メタル・バンド「セパルトゥラ」のセアラー州でのコンサートで、観客がナチス式の敬礼や人種差別的な発言を行って問題になっていたことが判明し、市警が捜査に乗り出している。18日付G1サイトなど(1)(2)が報じている。
この事件は今月8日、セアラー州フォルタレーザで行われたイベント「ヘヴィ・メタル・ウィークエンド」で起こったものだ。
このコンサートでは観客の一人が、黒人で米国人のセパルトゥラのヴォーカリスト、デリック・グリーンに対して人種差別的発言を行っただけでなく、ナチス式の敬礼まで行っていた。
周囲にいた観客はこれに気づいて激怒し、この男性に暴行を加えた後、男性を会場から追い出した。この様子を録画したビデオがインターネット上で流れたため、市警が捜査に乗り出すことになった。
ブラジルではナチス擁護を表す行為やナチスのシンボルを使って体制を宣伝したりする行為は法律で禁止されているが、警察は男性に対する暴行に関しても捜査する意向だ。
セパルトゥラはミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテ出身の兄弟が創設したバンドで、90年代に「アライズ」「ケイオスAD」「ルーツ」といったアルバムが世界的にヒットし、国際的にも有名になっていた。