タウバテに「空飛ぶ車」工場=エンブラエル年間数千台納品へ

エンブラエル社とEveエア・モビリティ社が20日、「空飛ぶ車」として知られる電動垂直離着陸機(eVTOL)を製造するための最初の工場をサンパウロ州内陸部のタウバテに建設すると発表したと20日付ポデール360サイトなど(1)(2)(3)が報じた。
エンブラエルはタウバテに物流センターを擁しており、同じ敷地内に工場を建設するため、投資規模も小さくて済む。新工場で製造したeVTOLは検査後に解体し、注文先まで運んで組み立て、年間数千台を納入する予定。工場は当局の許可を得るための最終審査の段階に入っているという。
エンブラエルによると、タウバテを選んだのは高速道路からのアクセスが簡単で鉄道網にも近いという戦略的な理由による。また、同社本社があり、Eveの技師や人事担当者もいるサンジョゼ・ドス・カンポス市から近く、eVTOLの生産・開発の簡便化や製造支援も容易であることも理由の一つだ。
エンブラエルのフランシスコ・ゴメス・ネト社長兼最高経営責任者(CEO)は、「この決定はイノベーションと持続可能性に基づいた成長に向けた当社の戦略計画に沿ったもの」との見解を表明。「世界のアーバンエアモビリティ市場の可能性も信じており、同分野の大手企業の一つであるEveへのコミットメントを強化する」と続けた。
Eveは2020年設立で、アメリカン・ザニテ社との合併後、ニューヨーク証券取引所で株式を公開。2030年には世界中で5万台のeVTOLが利用されると見ており、30%のシェア獲得を目指している。