マリエレ事件、ケイロス証言内容明らかに=殺害命令者は不明のまま=殺された元軍警も関与?
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【既報関連】24日、2018年3月のマリエレ・フランコ・リオ市議(当時)殺害事件の共犯者のエルシオ・ケイロス容疑者による報奨付証言(デラソン・プレミアーダ、以下デラソン)の内容が明らかになった。この証言で、殺害犯のロニー・レッサ容疑者に殺害命令者を紹介した人物などは分かったが、殺害命令者は明らかになっていない。同日付CNNブラジルなど(1)(2)(3)(4)(5)が報じている。
24日に行われた連邦警察、リオ検察局合同の「エルピス作戦」は今回のケイロス容疑者のデラソンを基に行われた。これにより、マクセル・コレイア容疑者(通称スエル)が再逮捕された。
ケイロス容疑者によると、マリエレ氏殺害の話はレッサ容疑者との間で、2017年から18年の年越しのタイミングで会った際から出ていたという。当時のレッサ氏は「ある女性」と言うだけで、名前は明かさなかったが、スエル容疑者がこの段階から会話に参加していたという。
ケイロス容疑者によると、スエル容疑者はレッサ容疑者とともに「ガットネット」と呼ばれるケーブル・チャンネル・セットの違法ビジネスを運営しており、羽振りが良かったという。
ケイロス容疑者は、殺害命令者とレッサ容疑者を仲介し、殺害命令を伝えたのは元軍警のエジミルソン・オリヴェイラ・ダ・シルヴァ(通称ミカレー)氏だとも語っている。ミカレー氏は2021年に粛清されており、その時の様子は映像記録が残っている。
ミカレー氏の存在は連警も注目している。それは、同氏の存在がそれまで、捜査線上に一切出てきていなかったためだ。今回のデラソンでケイロス氏は計23回、同氏の名前を出している。また、連警も、ミカレー氏とスエル容疑者の間で五つのデータで計6回の通話を行った形跡も確認している。
だが、マリエレの殺害を命じた人物の名前はこのデラソンからは浮上していない。
ケイロス氏は2018年3月14日の犯行当日についても語っている。同氏はこの日初めて、殺害対象がマリエレ氏であったことを知ったという。当初の計画では殺害するのはマリエレ氏だけで、運転手のアンデルソン・ゴメス氏に関しては、「殺すつもりはなかった。彼が死んだと知った時、最悪だと思った」と語っている。
ケイロス容疑者は事件後、犯行に使った車をレッサ容疑者の弟のデニス氏に預け、タクシーに乗り換えたという。また、翌日には車のナンバープレートを変え、車内の頭髪などを掃除して指紋を消すようレッサ氏に言われたという。
連警によると、ケイロス容疑者がデラソンに応じる動機となったのは、レッサ容疑者がマリエレ氏に関して調べていないと嘘をついていたことがわかり、信頼できなくなったためだという。
また、ケイロス容疑者の弁護を担当していた弁護士事務所「サンタナ&テレス」は、同容疑者がデラソンに応じたことに驚き、弁護を降りたが、同容疑者によると、弁護士費用を払っていたのはスエル容疑者で、1年前からその支払いが滞っていたという。
同容疑者は、殺害に使われた武器は、リオ州の軍警特殊作戦部隊(BOPE)で火災が起きた時に盗まれたもので、レッサ容疑者が盗んだ人物から手に入れたとも語っている。