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サンパウロ州=軍警による死が26%増加=制服へのカメラ着用しても

2023年8月2日

軍警の制服に装着されたカメラ(©Rovena Rosa/Agencia Brasil)
軍警の制服に装着されたカメラ(©Rovena Rosa/Agencia Brasil)

 サンパウロ州保安局が7月31日、上半期の勤務中の軍警による死者は155人で、昨年同期の123人を26%上回ったと発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)が報じた。
 同州では2020年半ばから複数の軍警大隊が制服にカメラを着用しており、警官による暴行などが減少。これに倣い、リオ州でもカメラ着用を進めている最中の死者増加に、ソウ・ダ・パス研究所研究員のラファエル・ロッシャ氏は懸念の色を隠せない。
 ロッシャ氏は「カメラ着用だけでは機能しないが」と前置き後、現在のサンパウロ州政府はカメラ着用や委員会、組合などのコントロール・システムを弱体化させようとしているようだと語り、タルシジオ知事が選挙中にカメラ着用数を削減する約束していたことへの懸念も示した。
 警官による死者の増加は市警でも起きており、昨年の10人が16人にと60%増加。これにより、勤務中の軍警と市警による死者数は133人が171人にと28・6%増えた。非番の警官による死も加えた場合は202人が221人で9・4%の伸びにとどまっており、非番警官による死は69人から50人に減っている。
 なお、上半期に死亡した警官は15人(勤務中7人、非番8人)で、昨年同期の17人(勤務中4人、非番13人)より減少した。
 なお、7月27日に同州南部海岸のグアルジャー市で起きた軍警殺害事件を受けて翌日から始まったエスクード作戦での死者は、7月31日朝の州政府発表で8人、オンブズマンによると10人とされている。7月31日付フォーリャ紙サイト(3)によると、この時点での死者は既に、近隣14市で上半期に起きた警官との抗争での死者7人を超えている。
 また、7月31日夜のフォーリャ紙サイト(4)によると、オンブズマンが調査中のエスクード作戦による死者はさらに増えており、確認中の例も入れると19人となる可能性があるという。
 ロッシャ氏は同作戦についても、死者数の食い違いや虐待発生の報告もあることは、同作戦は同僚の死に逆上した警官が十分な調査や立案もなく実施したものであることを示すとし、警官側の過剰反応が必要以上の暴行や死を招いたとの見解を示している。
 なお、サンパウロ州保安局は、上半期に警官が拘束した人は前年比で8・4%増の9万5394人で、99・76%では衝突による死者は出ていないとした上で、この数字は、死者発生の原因は警察側の行動ではなく、被害者を屈服させ、被害者と作戦の参加者全員を危険にさらす、犯罪者による対決姿勢にあることを示しているとの見解を表明。
 同種の事件は全て、内務部門による厳密な調査の後、検察に送られ、司法当局の判断を受ける。同局は今後も職員の研修と警察の介入による死者減少に向けた公共政策の実施と継続的な改善に努めるとの意向も示した。


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