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心臓発作が6年間で25%増=肥満も一因、女性若者に顕著

2023年8月5日

心臓発作による月間平均の入院者数の推移を示すグラフ(7月8日付G1サイトの記事の一部)
心臓発作による月間平均の入院者数の推移を示すグラフ(7月8日付G1サイトの記事の一部)

 統一医療保健システム(SUS)のデータによると、ブラジルでは心臓発作の症例が6年間で25%増えたと3日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。2016年の症例は8万1505件で、2022年は10万件を超えた。
 ブラジル血行動態・心臓介入学会のロベルト・ボテリョ広報担当理事によると、心臓の健康は保健分野の最大の課題の一つだ。国民1人あたりの所得と教育レベルが低い程、心臓血管の健康状態を示す指標は悪化し、心血管疾患による死亡率や高血圧が増加することは60カ国での調査で判明しており、ブラジル人の心臓血管の状態は悪く、悪化しているという。
 心臓発作を含む心血管疾患は医療費、薬の消費、集中治療室などの経費増に加え、労働力や生産量減少は国内総生産(GDP)にも影響するため、予防や治療への投資は急務だが、心臓血管疾患につながるリスクの85%は健康的な習慣で回避可能とも説いている。
 7月8日付G1サイトなど(2)(3)(4)によると、心臓発作による入院例は15年間で倍以上に増えた。2008と22年のSUSのデータによると、心臓発作による月間平均入院者数は男性が5282人から1万3645人に158・32%、女性は1930人から4973人に157・59%増えた。SUSのデータは国内患者の70~75%を把握している。
 心血管疾患の危険因子の一つは肥満だ。保健省によるとブラジル人の57・25%は太りすぎで、2019年の55・4%より増えた。高齢化も危険因子で、昨年の国勢調査での高齢者の人口比は11・3%から14・7%に増えた。喫煙も発症リスクを高める。
 5月20日付G1サイトなど(5)(6)は女性や若者の死者増も報じた。2019年の15~49歳の女性の死亡率は11・6人/10万人で、1990年の7・1人より62%増加。若年女性の死因の3分の1は心血管疾患で、梗塞が最多だという。
 1990~2019年の主な死因は脂肪班や血栓で血液循環が滞り、心筋への栄養や酸素が減って起こる虚血性心疾患だ。心臓発作の主症状は胸痛だが、女性だと背中上部や首の痛み、疲労、嘔吐、吐き気なども起こる。女性は身体活動や精神的ストレスの後に起こる狭心症が起き易い。また、伝統的な危険因子による影響が男性より大きく、予後が悪いという。
 心血管疾患の危険因子は喫煙や高血圧、高コレステロールで、女性だと妊娠や閉経、精神的ストレスやうつ病も入る。虚血性心疾患は男性の方が早期に起き、女性の発生率と有病率は閉経後に増す。
 6月25日付CNNニュース(7)によると、寒いと水分摂取量が減って血液粘度が高まり、血栓ができ易くなる上に血管収縮も起こり易いため、心血管疾患が30%増すという。


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