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1月8日調査委員会でトレス前法相が容疑否定 「法案は他所からきた」 襲撃情報の事前入手否認

2023年8月9日

証言を行うトレス氏(Lula Marques/Agencia Brasil)
証言を行うトレス氏(Lula Marques/Agencia Brasil)

 8日、1月8日の三権中枢施設襲撃事件の両院合同議会調査委員会(CPMI)が行われ、アンデルソン・トレス前法相が召喚された。トレス氏は自宅で見つかったルーラ当選を無効にする法案(ミヌタ)などについての自身の見解などを語った。同日付メトロポレス(1)やフォーリャ紙(2)が報じている。
 トレス氏は年替わりの政権交代時にボルソナロ政権の法相から連邦直轄区の保安局長に転じていたが、襲撃事件の直前に突然渡米。同局長を即解任されただけでなく、監督責任を問われ、逮捕状も出された。米国滞在中の1月10日に行われた家宅捜査では自宅から疑惑のミヌタも押収され、帰国した1月14日に逮捕。5月までの約4カ月間、刑務所での勾留が続いていた。
 トレス氏の証言は主に報告官のエリジアネ・ガマ上議の質問に答える形で行われ、予てから問題とされていたミヌタの存在についても弁明した。
 同氏によると、「私の自宅で警察が見つけたものは公職についていれば頻繁に出回る類の馬鹿げたもの」「あのミヌタは何の政治的な効力も持たない。誰がどういう目的であのようなものを流してきたのかは知らない。あれを誰かに見せる気もなかった」とし、「他人から偶然受け取ったものをたまたま捨てずに持っていた」との説を展開した。
 選挙結果に関しても訊かれ、「選挙結果を疑ったことはない」との主張も行った。
 ミヌタに関するトレス氏の証言は、1月に見つかった時のものと同様のものだ。
 トレス氏はさらに、自身が米国に渡航した1月6日現在は、「連邦直轄区保安局に対して危機を伝える情報は入っていなかった」とし、「危機対策のプロトコルがしっかり守られてさえいれば、少なくとも襲撃規模を抑えることはできた」と主張した。だが、「警官が足りなかった」などの答弁には議員たちからのクレームも出た。
 また、昨年の12月に連邦直轄区の陸軍本部前でボルソナロ前大統領支持者たちが選挙結果を不満として抗議のためのキャンプを張っていたこと、そこに参加した人たちが同月12日に連警本部侵入やバスの焼き討ちを起こし、同月24日にはブラジリア空港近くでの爆弾テロ未遂まで発生したことなどについて、当時、法相だったトレス氏は、今回の証言で、「看過していたわけではなく、いつでも情報は入手していた」と語っている。
 グローボ紙(3)によると、今回の証言を巡っては、トレス氏の弁護側とアレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事との間で条件を巡る攻防も行われていた。弁護側が主張した黙秘権の行使はモラエス判事も認めた。だが、現在自宅軟禁中のトレス氏が電子足輪を外した状態で証言に立つことは認められなかった。
 またG1サイト(4)によると、トレス氏は、アルトゥール・ド・ヴァル上議(ポデモス)や前大統領長男のフラヴィオ上議(自由党・PL)の二人との接触も禁止されている。両上議が襲撃事件に関する捜査対象となっていることが理由だが、この指示は両上議が委員会に参加することや質問することは妨げない。
 トレス氏への質疑応答は午前8時台に始まり、午後4時半現在も続いている。アルトゥール・マイア委員長は会合開始時に委員会は午後8時には終了させると告げている。


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