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前連邦道路警察長官を逮捕=選挙投票日の取締り強行で=ルーラ氏への投票妨害疑惑

2023年8月10日

シルヴィネイ容疑者(Lula Marques/Agencia Brasil)
シルヴィネイ容疑者(Lula Marques/Agencia Brasil)

 9日朝、連邦道路警察(PRF)元長官のシルヴィネイ・ヴァスケス容疑者が逮捕された。同容疑者には、昨年の大統領選の決選投票当日に選挙高裁の決定を無視して道路取締を敢行させ、ルーラ氏への投票を妨害しようとした嫌疑がかけられている。同日付G1サイト(1)やフォーリャ紙(2)などが報じている。
 シルヴィネイ容疑者は9日朝、出身地のサンタカタリーナ州フロリアノポリスで逮捕された。同日の捜査には、同州やリオ・グランデ・ド・スル州、リオ・グランデ・ド・ノルテ州、連邦直轄区での家宅捜査令状10件と逮捕令状1件が出された。
 「コンスティトィソン・シダーダ」と名付けられた捜査では、シルヴィネイ容疑者のほかに、同容疑者が長官だった時代のPRFの役員ら7人に対する家宅捜査が行われた。彼らの中からは逮捕者は出ていない。また、当時のPRF職員47人にも事情聴取が行われると予想されている。
 シルヴィネイ容疑者は昨年10月30日の大統領決選投票日の数日前、選挙当日に取締を行うと宣言。これは報道直後から、ルーラ氏が強い地盤を持っている北東部を中心に行われるであろうことがささやかれていたため、選挙高裁が当日未明に実施を禁じたが、PRFはそれを無視して取締を実施した。
 PRFは当時、「票の売買などの選挙違反行為を取り締まるため」と説明していた。だが、この取締の間、主に北東部からのSNSで「投票所に行くためのバスが長時間、職務質問で止められた」「ルーラ氏のステッカーを貼った車が止められている」などの情報が相次いだため、選挙高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス長官がシルヴィネイ長官(当時)に説明を求めていた。
 同容疑者は決選投票前日の10月29日にSNSで、「政党番号22番、ボルソナロ氏に投票しよう」との投稿を行っていたことも発覚。伯国では警察の長官などの公職者が特定候補に投票を呼びかけることが禁じられている。さらに大統領長男フラヴィオ氏と予てから懇意の関係にあることや、ボルソナロ前大統領と写った写真や電話での会話経験もあること、長官職への指名が1月8日三権中枢施設襲撃事件で逮捕されたアンデルソン・トレス前法相によって行われていたことなども報じられていた。
 こうしたことから、昨年の11月26日に連邦検察庁がシルヴィネイ容疑者の停職を要請。同年12月20日付で退職していた。
 シルヴィネイ容疑者は6月20日、三権中枢施設襲撃事件の両院合同議会調査委員会(CPMI)に最初に召喚された証言者で、その際に「不正行為はやっていない」「全国的に道路交通を指揮するのは無理だ」「有権者が投票できなかったという証拠がない」などと反論していた。
 だが、同容疑者がこの日に持ち込んだ資料に虚偽が含まれていたことなどから、アジェンシア・ブラジル(3)が報じていたように、CPMIは7月18日に最高裁に対し、シルヴィネイ容疑者の逮捕を求めていた。CPMI報告官のエリジアネ・ガマ上議は「CPMIの前に逮捕されるべきだった」と語っている。
 一方、カルタ・カピタル(4)によると、フラヴィオ上議は同容疑者逮捕に、「警察の暴力の犠牲者だ」と不満を示した。


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