年末までに自家発電26GWに=太陽光発電が広い国土に激増

ブラジル分散型発電協会(ABGD)によると、ブラジルの分散型発電(GD、自家発電)の電力容量は23ギガワット(GW)に達した。GDの98%超は太陽光発電で、ブラジルの太陽光発電能力は世界の10傑に入ると5日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
ABGDによると、国内の自家発電利用者(消費者ユニット、UC)は300万を超える。UCはマイクロまたはミニプラントによる電力供給を受ける住宅や商業施設、その他の不動産を表す。
ブラジルの領土の広さや気候条件は、技術の進歩や政府の奨励金と共に、太陽光発電システム設置による分散型発電成長に有利に働いている。また、GDの普及や技術の進歩は機器の購入や設置、保守関連のコスト低下も招いている。ABGDのギリェルメ・クリスピン会長によると、自家発電に関心のある人や企業、機器販売業者の増加は、自家発電用の機器設置数の増加やより競争力のある価格の実現に役立つという。
リオ連邦大学のアルベルト・ルイス・コインブラ教授によると、国家電力庁(Aneel)が自家発電を最初に承認したのは2012年で、需要が増え始めたのは2016年だが、急成長し始めたのはここ3~4年のことだ。
太陽光や水力、バイオマスといった再生可能資源による自家発電はよりクリーンで、電気代節約も可能だ。補助金額や減免税額は州毎に異なるが、クリスピン氏の場合、自家発電開始前の電気代は月平均800レアルだったが、現在は120レアル程度だという。
自家発電用の機器設置者は個人や企業が大半だが、リオ市のファヴェーラ、バビロニアでは地域で導入。利用者も増えている。今年の太陽光発電への投資額は約380億レアルで、年末までに電力容量は26GWに達する見込みだ。
だが、自家発電に取り組める人や企業などはまだ限られており、連邦政府は4日に「全ての人に電気を計画」を再導入すると宣言した際、ブラジルと国境を接する国々との間の電力融通の可能性を扱う大統領令も出したと同日付G1サイトなど(2)(3)が報じた。
ブラジルはパラグアイの他、イタイプ水力発電所を通じてアルゼンチン、ウルグアイとも国際交流を行っている。今回の大統領令では、2019年にベネズエラで連続停電が起きて以降、遮断されたままの同国からロライマ州への電力供給にも言及。プエルト・オルダスのグリ水力発電所とロライマ州ボア・ヴィスタをつなぐグリ送電線を介した電力購入が再開する予定だ。