サンパウロ市セントロ=電気街店主らが抗議デモ=麻薬中毒者居座り客激減
10日朝、サンパウロ市セントロ(中央部)サンタイフィジェニア地区の電気街店主らが店を閉め、デモを行った。クラコランジアの拡大と定着に反対して起こした抗議行動だ。同日付フォーリャ紙(1)が報じている。
デモを行ったのは、同商店街の商店主組合や商店の従業員たちの労働組合だ。彼らは通りに繰り出し、「伝統ある商店街の保護を」「我々は働きたいんだ」などと書いた横断幕を掲げ、麻薬常用者たちが同地区にまで入り込み、居座っていることに反対を唱えた。
クラコランジアの拡大は予てから、セントロの一大問題となっていた。以前はサンタイフィジェニアには影響がなかったが、数カ月前からは麻薬常用者たちの行動範囲がリオ・ブランコ大通りの角にあるグスモンエス街にまで広がり、同商店街でも麻薬常用者の姿が頻繁に見られるようになった。
サンタイフィジェニアで電気商を営むファビオ・ゾルゾさんは、「麻薬常用者たちがこの地区に出没するようになってからは売上が60%落ちた。このままではこの商店街は立ち行かなくなる。何とかしてそれを食い止めなければならない」と嘆いている。
一般労働者組合(UGT)のリカルド・パター会長によると、セントロでは昨年1年間に2万人が職を失ったという。フォルサ・シンジカルの代表もクラコランジアの排除と治安回復を訴えた。